浦添市の伊祖集落内に点在するメーヌカーやクシヌカーなどの井泉☆|沖縄放浪日記

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2018年8月23日木曜日

浦添市の伊祖集落内に点在するメーヌカーやクシヌカーなどの井泉☆

ハイサぁ~イ⭐

前々回、浦添市の伊祖集落にある『英祖王拝所』『伊祖之神殿』をご紹介しましたが、今回は集落内に点在する井泉をご紹介したいと思います。

沖縄県浦添市伊祖にある

『メーヌカーやクシヌカーなどの井泉』

メーヌカーの写真
『浦添総合病院』横にある『メーヌカー』。
まず最初にご紹介するのは、浦添市伊祖にある『浦添総合病院』に隣接する井泉です。

こちらは『メーヌカー』と称される井泉で、『湧き水fun倶楽部』さんのブログ『湧き水fun倶楽部 活動記録』のページ『伊祖を歩く』によると、昭和40年代初頭あたりまで利用されていたんだそうです。
メーヌカーの写真
メーヌカー
また、『湧き水fun倶楽部』さんの資料『浦添の湧き水』を見てみると、こちらの湧き水は、主に飲み水として利用されていたんだそうで、子どもが生まれた時の産水やお正月の若水にも使用されていたんだそうです。

この一帯は、浦添市内で最も地下水が豊富な地域だったんだそうで、集落内には多くの井泉があり、その中でもこちらの『メーヌカー』は、一番大きく水量も豊富であったことから防火用水としても利用されていたとのこと。

さらに、かつてこの一帯には、田んぼが広がっており、戦後もしばらくは田んぼが広がっていたんだそうですよ。
(※参考⇒湧き水fun倶楽部『浦添の湧き水』)
メーヌカーの写真
現在も豊富な湧水を湛えていました。
沖縄の古くからある集落内には、いくつかの井泉が現存してたりしますが、その中のいくつかはすでに水が枯れてしまっていたり、あるいは区画整理などで消滅してしまっていたりするんですけど、伊祖集落内に現存している井泉の多くは、今でも湧き水を湛え続けていました。

もしかすると、現在も豊富な地下水があるのかもしれませんね。
メーヌカーの写真
カーの後方には1基の香炉が設けられていました。
んで、現在の『メーヌカー』には、転落防止用の格子が設置されており、その後方には1基の香炉が設けられていました。

現在も、自治会の方々が年に8回拝みを行っているんだそうですよ。
伊波ガーの写真
大きな木の下にある『伊波ガー』。
んで、『メーヌカー』を後にし、次の井泉へと向かいました。

『メーヌカー』の前から後方へ伸びる小道を進んでいくと、一旦表の道に出るんですが、そこを右手に進むと、また右手に伸びる小道があり、そこに入って行きます。

すると、その小道の奥に立派な枝葉を伸ばした大木が立っており、その下にも井泉がありました。
伊波ガーの写真
伊波ガー
ブログ『湧き水fun倶楽部 活動記録』のページ『伊祖を歩く』によると、こちらは個人所有の『伊波ガー』と称される井泉なんだそうです。

こちらは、自治会が行う拝み回りの対象ではないそうなんですが、井泉の水は散水や雑用水に使用されているとのことです。
伊波ガーの写真
道路上から見た『伊波ガー』。
道路上から井泉の内部を見てみると、内部にも雑草が生えており、あまりよく見えませんでしたが、こちらもまだ水が湧き出ているようで水溜にチラッと水面が見えました。
伊波ガーの写真
『伊波ガー』の上部。奥に香炉代わりのようなコンクリートブロックが置かれていました。
また、『伊波ガー』の上部は金網が設けられており、拝みの対象ではないとのことですが、その金網が設置されている場所の奥に香炉代わりらしきコンクリートブロックが置かれていました。

この『伊波ガー』を後にし、『伊波ガー』の前の道をさらに上へ進んで行くと、右側にある小道の先にも井泉がありました。
上ヌカー(イーヌカー)の写真
道から少し入ったところにある『上ヌカー(イーヌカー)』。
こちらは『上ヌカー(イーヌカー)』と称される井泉なんだそうで、コンクリートで三日月状に造られていました。
上ヌカー(イーヌカー)の写真
上ヌカー(イーヌカー)
また、カーの後方には石積みが設けられており、石積みとカーの間には1基の香炉が設置されていました。
上ヌカーの写真
こちらもまだ湧き水を湛えていました。
『上ヌカー』の内部を覗き込んでみると、こちらもまだ湧き水を湛えているようで水面が見えましたね。

この『上ヌカー』も、拝み回りでまわる井泉の1つとなっているとのことです。
伊祖集落 クムイ跡の写真
住宅街の一画にある『クムイ跡』。この敷地内にも"拝所"が設けられていました。
『上ヌカー』を見学した後、前の道から県道251号線に出て、そこをそのまま渡って向かい側にある道へと進みます。

県道から入って道なりに約130mほど進んでいくと、右側に三角形の形をした伊祖自治会の月極駐車場があるんですが、『湧き水fun倶楽部』さんのブログ『湧き水fun倶楽部 活動記録』のページ『伊祖を歩く』によると、こちらは『クムイ跡』なんだそうです。
(※参考⇒沖縄方言辞典『クムイ(くむい)』)
クムイ跡の写真
『クムイ跡』の片隅にある"拝所"。
かつて、こちらの"クムイ"の水は、家畜の世話や洗濯などの雑用水として使用されていたんだそうで、集落の行事の1つである"綱引き"に使用した"カヌチ棒"を保存する場所でもあったとのことです。

水道が普及してくると、"クムイ"の水が使用されなくなっていったので、転落などの危険を防止するために、埋められてしまったんだそうですよ。。。
クシヌカーの写真
『クムイ跡』から少し北側にある『クシヌカー』。
この『クムイ跡』がある場所の横に、北向けに伸びる細い小道があるんですが、そこを少し入っていくと、その先にも井泉があります。
クシヌカーの写真
クシヌカー
こちらは『クシヌカー』と称される井泉なんだそうで、こちらも『メーヌカー』や『上ヌカー』と同様に、拝み回りでまわる井泉の1つなのだそうです。

また、こちらも湧き水が出ているようで、2本の水道パイプが設置されており、カーの右側には香炉代わりの大きな貝殻が置かれていました。
クシヌカーの写真
2本の水道パイプと転落防止用の格子が設置されていました。
この『クシヌカー』を見学した後は、カーの右斜め向かい側にある小道へ入り、道なりに進んでいきました。

『クシヌカー』の前から約170mほど道なりに進んでいくと、右側に『浦添総合病院健診センター』があるんですが、そこの敷地内にある駐車場の一画にも井泉がありました。
ニーヌファーヌカーの写真
ニーヌファーヌカー
こちらは、長い間草刈りなどの手入れがされていないようで、落ち葉が積もり、雑草が繁茂しておりました。。。

こちらは『ニーヌファーヌカー』と称される個人所有の井泉だったみたいなんですが、自治会でも管理はしていないようです。
カーの横には1基の香炉が置かれていました。
鉄格子が設置されたカーの横に目をやると、1基の香炉が置かれてはいましたが、こちらも拝み回りではまわっていないようでしたね。。。

この『ニーヌファーヌカー』を後にし、健診センターの駐車場前の道路を南西向けに進みます。

駐車場前から約60mほどの距離左側にある脇道へ入ってそのまま突き進んでいくと、右側に三角形の小さな公園があるんですが、こちらも『クムイ跡』なのだそうです。
伊祖集落 クムイ跡の写真
クムイ跡
こちらの『クムイ跡』の水は、かつては防火用水や、牛・馬などの家畜の世話などに使用されていたんだそうで、収穫した芋を洗う場所でもあったとのことです。

こちらも、先程の『クムイ跡』と同様に、使用されなくなった後は転落などの危険を防止するために埋められてしまったんだそうです。。。
紫木ガーの写真
『伊祖之神殿』近くの道路沿いにある『紫木ガー』跡。
この『クムイ跡』の前は小さな五叉路になっているんですが、そこから南向けに伸びる小道へ進み、最初に差し掛かる十字路を左折します。

そして道なりに進んでいくと、前々回にご紹介した『伊祖之神殿』の前に出るんですが、そこから少し南向けに進んだところ左側の道路沿いに"カー跡"があります。
紫木ガーの写真
紫木ガー跡
湧き水fun倶楽部』さんのブログ『湧き水fun倶楽部 活動記録』のページ『伊祖を歩く』によると、こちらは『紫木ガー』と称される"カー跡"なのだそうです。

『紫木ガー』が現存していた頃は、『伊祖之神殿』や『神アサギ』に入る前に、こちらの湧き水で身を清めたとのことです。

こちらも拝み回りの対象となっているんだそうで、井泉の名称となっている「紫木」とは、"ヤブニッケイ"というクスノキ科クスノキ属の植物のことで、その植物の枝をノロが拝みの際に使用したことから、その名がつけられたんだそうですよ。
(※参考⇒Wikipedia『ヤブニッケイ』)
牛くんじガジュマルの写真
集落から県道251号線に出る直前に見た『牛くんじガジュマル』。
この『紫木ガー跡』を後にし、このカーのすぐ横にある脇道へと入ります。

そして道なりに約100mほどの距離右側にある2つめの小さな十字路を右折し、突き当りを左折、そこからパイプライン向けに進むと、枝葉を伸ばした立派なガジュマルの木が立っているのが見えてきます。
牛くんじガジュマルの写真
県道251号線(パイプライン通り)から見た『牛くんじガジュマル』。
『うらおそい伊祖散策マップ』によると、この木は『牛くんじガジュマル』と称されるガジュマルなのだそうです。

この『牛くんじガジュマル』は、パイプライン通りから伊祖集落へ入って行く道路の間に立っており、根元にはベンチも設置されているため、一休みすることもできます(笑)。

・・・と、この『牛くんじガジュマル』まで見学させて頂いた後は、そのままクルマへと戻り、伊祖集落を後にしました。

いかがでしたでしょうか?

伊祖集落内には、国の文化財に指定された『伊祖城跡』をはじめ、今回・前々回とご紹介してきた井泉などの史跡が点在しています。
(『伊祖城跡』をご紹介した過去のブログ記事はこちらからどうぞ⇒https://oki-night.blogspot.com/2015/04/oo_11.htmlhttps://oki-night.blogspot.com/2015/04/blog-post_16.html)

また、集落内には「元祖 ゆしどうふそば」で有名な大人気の沖縄そば屋さん『高江洲そば』さんもあるので、美味しい"沖縄そば"を食べに来た際には、ついでに伊祖集落内に点在する史跡もゆっくり見学してみて下さいませ。

それでは、そろそろこの辺で・・・でわでわ☆★☆

最後まで読んで下さいまして、誠にありがとうございますm(_ _)m
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『浦添市伊祖にある史跡

☆場所:〒901ー2132
      沖縄県浦添市伊祖

☆見 学:無料

☆駐車場:無し(伊祖公園と英祖王拝所は、駐車場あり)

※訪れる際は、くれぐれもマナーを守って、他の来訪者や地元の方々に迷惑をかけないよう、十分気を付けてくださいね。