今回は、前々回の続きです。
『西部プラザ公園』の西側に位置する、当銘集落のクサムティ(腰当森)として大切にされている『テミグラの杜(テミグラグスク跡)』を見学した後、次に向かったのは『テミグラの杜』の北東側に位置する『金満の杜』と称される丘陵なんですが、『テミグラの杜』とその『金満の杜』を結ぶウマチーロード沿いに立派な赤瓦屋根の建物を見つけちゃったんですよ。
どうやらこの建物は、当銘集落と小城集落が共同で所有する葬式の時に棺を入れて運ぶ屋形の輿を保管するためのものなんだとか。。。
『当銘・小城の共有龕および龕屋』☆
『プラザ橋』から見た『当銘・小城の共有龕』が収められている龕屋。 |
『プラザ橋』下の道路からも『龕屋』の敷地へ階段が設けられているんですが、そちらは勾配がキツ過ぎて、現在は使用されていないようでした。
前回の記事の最後でもご紹介した『プラザ橋』。左奥に赤瓦屋根の建物が見えます。 |
『プラザ橋』から見た南側の景色。 |
『プラザ橋』から見た小城集落側。 |
その説明板を読んでみると、この赤瓦屋根の建物は、字当銘と字小城の共有の"龕"を保管している『龕屋』なんだそうです。
1961年と2005年の龕のお披露目の際の写真と琉球王府時代の葬送の様子を描いた絵画。 |
≪当銘・小城の共有龕≫
≪全長 三六三、五センチメートル幅 九六、〇センチメートル
高さ 一二一、二センチメートル
この龕は、葬具として尚灝王(しょうこうおう)三十年、道光十三年(一八三三)「癸巳(みずのとみ)」八月十日に制作されたものです。
構造は、入母屋造りで材質はイヌマキ材(チャーギ)で作られ、朱塗屋根型の輿である。屋根の装飾である竜頭も刀彫により鱗片を浮き彫りに表現されている。
また、屋根や壁面は漆塗りで正面と裏面は仏図を描き、両側面には蓮華模様が描かれているが、朱塗りや壁画、装飾品は三十三年忌ごとに大修理が行われている。
『当銘・小城の共有龕』。 |
龕は、葬式の時に棺を入れて運ぶ屋形の輿のことで、二本の横棒に載せ、前後を四人でかつぐようにできている。
このような豪華な龕は、初めは王家や首里士族の葬儀に使用されていたが、祖先崇拝の念強く、次第に那覇や地方の百姓階級にも普及していき、経済的に豊でなかった地方の村々でも使用するようになっていった。
本町には、四ヵ字が所有しているが、中でも最古のもので民族資料として貴重なものである。
平成十七年九月十三日≫
・・・と、ありました。前方から見た『当銘・小城の共有龕』の『龕屋』。 |
また、説明板では白く消去されていましたが、後日ネットで調べてみると、この『当銘・小城の共有龕』は、県の有形民俗文化財に指定されているとのことでした。
『龕屋』の横にあった小窓から見た『当銘・小城の共有龕』。 |
この『龕甲祭』、死者を供養する年忌と同じように一年忌、三年忌、七年忌、十三年忌、二十五年忌、三十三年忌・・・に合わせて行われるんだそうで、昨年の『龕甲祭』は6回目の二十五年忌だったとのこと。
※全国的な法要では「一周忌、三回忌・・・」と呼びますが、沖縄の法要では「一年忌、三年忌・・・」と呼びます。
(※参考⇒沖縄県メモリアル整備協会『沖縄の法要。年忌焼香(ニンチスーコー)の基礎知識』)
なので、次回の『龕甲祭』を見るためには、8年後の旧暦8月10日の三十三年忌になるとのことです。。。
この『龕甲祭』が行われる日には、両集落の旗頭が対面して演舞を行う『チチャーイ』や、旗頭を先頭に拝所を巡る『道ジュネ―』なども行われるんだとか。
そして『チチャーイ』や『道ジュネ―』を終えた後は、それぞれの集落に戻り、棒巻や舞踊、喜劇などを行うのだそうですよ。
(※参考⇒やえせ観光サイト『当銘・小城の龕甲祭、12年ぶりの開催!!』)
『金満の杜』の手前の広場にある東屋。 |
んで、この東屋の手前に標柱が立てられていたんですが、その標柱には『馬ンザ広場』と記されており、「五月・六月ウマチーにはノロは乗馬で殿回りをした」とも記されていました。
東屋の手前に立てられていた標柱。 |
この場所からは、すぐ手前にある当銘集落が一望でき、そこから遠くの方まで見渡すことが出来ますよ。
『金満の杜』を背にして見た『馬ンザ広場』。 |
その遊歩道を北向けに少し進んでいくと、遊歩道沿い右側に『金満の杜』の『フサトモー』の拝所と入口があります。
・・・と、ここから先はちょっと話が長くなりそうなので、この続きは別の回にして、今回は少し短いですが、この辺で終わりにしたいと思います。。。でわでわ☆★☆
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☆『当銘・小城の共有龕および龕屋』☆
☆場所:〒901ー0415
沖縄県島尻郡八重瀬町小城(西部プラザ公園内)
☆見 学:無料
☆駐車場:あり(西部プラザ公園駐車場)
※訪れる際は、くれぐれもマナーを守って、他の来訪者や地元の方々に迷惑をかけないよう、十分気を付けてくださいね。