金武町金武にある2つイベが祀られている拝所と森林公園にある3つの拝井泉☆|沖縄放浪日記

この記事をシェアする

2018年5月4日金曜日

金武町金武にある2つイベが祀られている拝所と森林公園にある3つの拝井泉☆

ハイサぁ~イ⭐

今回も、前々回に続いて金武町の史跡のご紹介です。

前々回にご紹介した伊芸集落の史跡を見学した後、次に向かったのは、金武町字金武に点在する史跡を見学しに向かいました。

沖縄県国頭郡金武町金武にある

『中森・ヘーシンバとティダガー森林公園内にある拝井泉』

ヘーシンバ(拝神場)の写真
金武区公民館(図書館?)の横にある拝所『ヘーシンバ(拝神場)』。
まず最初に足を運んだのは、『金武児童公園』の北側出入口近くに位置する『中森(ナーカムイ)』と称される拝所です。
中森(ナーカムイ)の写真
『金武児童公園』北側出入口近くにある『中森(ナーカムイ)』の拝所がある場所。
こちらは、金武町金武の国道329号線沿いにある『JA沖縄金武支店』『ほっともっと金武店』の間にある道路に入り、約65mほどの距離左側にある2本目の脇道を左折、そして約63mほど進んでいくと、道路沿い左側にあります。
中森(ナーカムイ)の写真
『中森(ナーカムイ)』の拝所入口。
表の通り沿いには古い石柱が立てられており、そこが拝所への入口となっているようでした。
中森(ナーカムイ)の写真
中森(ナーカムイ)。
『中森(ナーカムイ)』の拝所には、手前に比較的新しめの方形の香炉が2基置かれており、祭壇(?)らしき場所には劣化した古い香炉が12基置かれていました。

『沖縄の地域調査研究』というサイトの『金武町金武・並里』のページによると、こちらの『中森(ナーカムイ)』と、『金武児童公園』の南西側、『金武区公民館(Gマップには金武区図書館と記載されています)』の隣にある『ヘーシンバ(拝神場)』と称される拝所は、1713年に琉球王府が編纂した地誌『琉球国由来記』に記されている『中森 二御前(神名:タケノコホツカサノ御イベ、ヨンサノツカサ御イベ)』なのでは・・・と考えられているとのことです。
(※参考⇒沖縄の地域調査研究『金武町金武・並里』のページ』、Wikipedia『琉球国由来記』)
ヘーシンバ(拝神場)の写真
ヘーシンバ(拝神場)。
『中森(ナーカムイ)』を見学した後、次に向かったのは、そのもう一つの拝所『ヘーシンバ(拝神場)』です。

『金武区公民館』の右隣にある道路から一段高くなった場所にあり、こちらにも祭壇(?)に数十基の香炉が並べて置かれていました。
ヘーシンバ(拝神場)の写真
拝所に向かって左側の祭壇。こちらには4基の香炉と霊石らしき石が置かれていました。
祭壇は二箇所に分けて作られており、向かって左側には4基の香炉と霊石らしき石が置かれ、右側の祭壇にはたくさんの香炉が並べて置かれていました。
ヘーシンバ(拝神場)の写真
右側の祭壇にある数十基の香炉。
先述したサイトの記事によると、このたくさんの香炉は、金武王子や金武按司らが、大和や唐へ旅に出かけた際に航海の安全菌が寄進した香炉と考えられているのだそうですよ。

『中森(ナーカムイ)』と『ヘーシンバ(拝神場)』を見学した後、次の目的地へ向かうためクルマに乗り込もうとした際、『ヘーシンバ(拝神場)』の前を通る道路の道向かいに目を向けると、何やらエリアマップらしき看板を偶然見つけたんですよ。
ティダガー森林公園の写真
『ヘーシンバ(拝神場)』の道向かいにある『ティダガー森林公園』の入口。
んで、その看板へ近づいてみると、『金武町 ティダガー森林公園』と記されており、その公園の案内図となっていました。
ティダガー森林公園の写真
『ティダガー森林公園』の案内図。
その案内図を見てみると、同公園内には3つの拝井泉が点在しているとのこと。。。

なので、ついでにこの3つの拝井泉も、そのまま見学してみることにしました。
ティダガー森林公園の写真
『ティダガー森林公園』の遊歩道。
入口から遊歩道を入って行くと、遊歩道上にはたくさんの落ち葉があり、だいぶ長い間、人が立ち入っていないような感じでしたね。。。

んで、遊歩道をしばらく歩いていくと、通り沿いの一段高くなった場所にコンクリートブロック製の祠を発見しました。
ティダガー森林公園の拝所の写真
『ティダガー森林公園』の遊歩道沿いにあった拝所。
通りから外れて、その一段高くなった場所に上がり、その祠の内部を見てみると、1基の香炉が置かれた拝所となっていました。
ティダガー森林公園の拝所の写真
祠の内部には1基の香炉が納められていました。
こちらは、先述した公園の案内図には記載がなく、また、ネット上にある資料などにも何も記されていなかったため、名称や何が祀られているのかなどの詳細は残念ながら不明です。。。

この拝所を見学した後、再び遊歩道へ戻り、さらに公園の奥へと進んでいきました。
ティダガー森林公園の写真
遊歩道の突き当り。この右奥に『ナーカヌカー』があります。
すると、遊歩道の終点らしき場所に小さな説明板が立てられていました。
ナーカヌカーの写真
遊歩道の先にあった『ナーカヌカー』。
その説明を読んでみると・・・
≪ナーカヌカー≫
≪ナーカヌカーは嘉陽層の谷筋を掘ったカー(湧水)で、現在でも香炉があるのでティダガーの参道から遥拝する人がいます。

かつては、よくお正月に拝まれていました。
ナーカヌカーの写真
『ナーカヌカー』の説明板。
水道が設置される以前は飲料水や洗濯等生活用水として利用され、水は田んぼに流れていたそうです。

また、このカーは「ナーカー」のパーパー(おばあさん)がしきっていたため、子どもが遊ぶと叱られることもあったそうです。

※嘉陽層と「カー」の関係
沖縄本島中部以北の東側に分布する砂岩、嘉陽層は透水性の良い地質構造をもつが、その上にのる琉球石灰岩は、多孔質の岩質のため雨水は岩石を容易に透水し、かつ科学的風化作用を受けて石灰岩をとかしてしまう。
そのため基盤の嘉陽層が不透水層になり、両層の接触する不整合面に湧水(カー)が発達しやすい。
・・・とありました。
ナーカヌカーの写真
『ナーカヌカー』の内部。地面がかなりぬかるんでいました。
トンネル状になった草木を潜ると、内部は小さな広場っぽくなっており、左側の草木の根元部分に1基の香炉が置かれていました。
ナーカヌカーの写真
『ナーカヌカー』の内部にあった1基の香炉と祭壇。
また、香炉の左側には水溜まりがあったんですが、結構透き通っていてなかなか綺麗でしたね。
まぁ、その淀みの周辺はあまり綺麗とは言い切れない状態でしたがwww
ナーカヌカーの写真
香炉の左側にあった淀み。
この『ナーカヌカー』を見学した後、次の拝井泉を見学しに向かおうとすると、『ナーカヌカー』前から南側は雑草が繁茂しており、とても歩ける状態ではなかったので、来た道を戻って一旦公園の外へ出ることにしました。
ナーカヌカーの写真
『ナーカヌカー』の前から遊歩道の先を見たところ。雑草が繁茂していて歩ける状態ではありませんでした(泣)
公園を出た時、時計を見てみると、時間がだいぶ経過してしまっていたので、この日はそのまま『ティダガー森林公園』を後にし、次の目的地へと向かいました。

んで、別の日に再び『ティダガー森林公園』を訪れ、残りの2つの拝井泉(カー)を見学しました。
ティダガー森林公園の写真
西側にある『ティダガー森林公園』の入口。
先述した『ナーカヌカー』の入口からは、他の2つの拝井泉(カー)へ向かうことは出来なかったので、別の入口から向かうことにしました。

先程記載した案内図によると、『ティダガー森林公園』の入口は全部で4つあるとのことで、その中の西側にある入口から向かうことにしました。
ティダガー森林公園の写真
西側の入口を入ってきたところ。こちらは思いのほか遊歩道が綺麗な状態で歩きやすかったですね。
西側の入口を入って行くと、こちらは先述した北側の入口よりも綺麗な状態が保たれており、とても歩きやすかったですね。
ティダガーの写真
西側の入口から遊歩道を進んできたところ。1基の香炉と説明板がありました。
入口を入ってしばらく歩いていくと、階段の踊り場らしき場所に1基の香炉と説明板が設けられた場所に辿り着きました。
ティダガーの写真
ティダガー。
まずは説明板を読んでみると・・・
≪ティダガー≫
≪「ティーダ」とはウチナーグチ(沖縄方言)で太陽を意味しています。ティダガーは嘉陽層の谷筋を掘ったカー(湧水)です。

現在でもシンブラ(金武区)・ナンダトゥ(並里区)の主なムンチュ(門中)や、町外の人々も信仰の対象として拝んでいます。
ティダガーの写真
『ティダガー』の説明板。
正月に水分を含んだ土を持ってきて、豆団子にしてミンナデ(水撫で)をしたという人もいるそうです。

ティダガーはあくまでも信仰の場であり、水源として利用されることはなかったようです。≫
・・・とありました。
※説明文下の「嘉陽層と「カー」の関係」は、『ナーカヌカー』の説明と同じだったので、省略させて頂きました。
ティダガーの写真
小さな淀みの前に置かれた1基の香炉。
説明を読み終え、『ティダガー』の周辺を見てみると、小さな淀みの手前に1基の香炉が置かれており、斜面の麓に細い水の通り道があり、そこから水がチョロチョロと音を立てて水が流れていました。

ほいで、この『ティダガー』のある場所から、下の方へと遊歩道が伸びていたので、そちらの方へも行ってみると・・・
ティダガーの写真
『ティダガー』の下の方にあった草むら(南側)。
公園の遊歩道らしき場所に出たんですが、『ナーカヌカー』の前と同様に、雑草が繁茂しており、ここから先へ進むことは出来なくなっていました。。。
ティダガーの写真
『ティダガー』の下の方にある草むら(北側)。
この場所からどこにも向かうことが出来なかったため、来た道を戻って表の通りへ出て、今度は南側の公園入口から入ることにしました。
ティダガー森林公園の写真
民家と民家の間にある南側の公園入口。
南側の公園入口は、表の道路側に案内板などが設置されていないため、分かりづらいんですが、入口を少し入った場所に公園の案内板が設置されていました(笑)。
ティダガー森林公園の写真
道路から南側入口を少し入ってきたところ。公園の案内板が立てられていました。
案内板を横切り、遊歩道を奥へと進んでいくと、遊歩道が森の中へと続いていたので、意を決してその中へと入っていきました。
ミーガー・ジョーガーの写真
森の入口。この先に『ミーガー・ジョーガー』があります。
こちらの遊歩道は、今回ご紹介した公園の遊歩道の中で一番荒れた状態でしたねぇ。。。

まぁ、歩けいないことは無かったんですけど、木の枝が伸び放題になっており、トンネル状になっていて、ちょっと歩きにくかったですね。。。
ティダガー森林公園の写真
遊歩道から『ミーガー・ジョーガー』へと伸びる階段(右)。
んで、遊歩道を進んでいくと、その途中に斜面下の方へと伸びる階段があり、道が二手に分かれていたんですが、その階段から進んでみることにしました。
ミーガー・ジョーガーの写真
階段の先にあった『ミーガー・ジョーガー』。
すると、階段の下の方に例の白い説明板が見え、そちらへ近づいてみると『ミーガー・ジョーガー』と記されていました。

どうやらこちらが3ヵ所めの拝井泉となっているようです。

まずはその説明板を読んでみると・・・

≪ミーガー・ジョーガー≫
≪ミーガー・ジョーガーは嘉陽層の谷筋を掘ったカー(湧水)です。

両者は隣接しあっているカーですが、今となってはその位置関係を明確に知ることができません。
ミーガー・ジョーガーの写真
『ミーガー・ジョーガー』の説明板。
水道が設置される以前は、小さなサークダー(谷底の田んぼ)の水源であり、また飲料水、洗濯等生活用水としても利用されていたようです。

近所の子どもたちの絶好の遊び場で、水浴びしていた姿もよく見受けられたそうです。≫
・・・とありました。
※説明文下の「嘉陽層と「カー」の関係」は、『ナーカヌカー』の説明と同じだったので、省略させて頂きました。
ミーガー・ジョーガーの写真
ミーガー・ジョーガー。
説明を読み終えて『ミーガー・ジョーガー』を見学してみると、斜面の手前に石積みが作られ長方形に貯水層が設けられていました。

また、拝みの際に使用する香炉は見当たらず、カーに向かって右側の石積みの上に缶のようなものが置かれていました。

あと、カーの周囲はご覧の通り、雑草が繁茂しており、こちらも長い間、人が足を踏み入れていないような感じでしたね。。。

『ミーガー・ジョーガー』を見学した後は、階段を上がって遊歩道の先へ行ってみることにしたんですが、その先も雑草が繁茂していてそれ以上進むことは出来なかったため、そのままクルマへと戻り、次の目的地へと向かいました。

・・・と、今回もかなり長くなってしまいましたので、今回はここまでにして、この続きはまた別の回にご紹介したいと思います。

それでは、そろそろこの辺で。。。でわでわ☆★☆

最後まで読んで下さいまして、誠にありがとうございますm(_ _)m
宜しければブログランキングへ 御協力お願い致します。
ブログランキング・にほんブログ村へ  

『金武町字金武に点在する史跡

☆場所:〒904ー1201
      沖縄県金武町字金武【中森(ナーカムイ)・ヘーシンバ・ティダガー森林公園・上ヌ毛公園・モウシヌムイ公園・トゥムスズ御嶽・金武大川・慶武田川・その他】
※中川区・並里区・金武区の3行政区は、字金武に属しているため、3行政区内にて見学した史跡を全部まとめてグーグルマップに掲載しました。

☆見 学:無料

☆駐車場:無し

※訪れる際は、くれぐれもマナーを守って、他の来訪者や地元の方々に迷惑をかけないよう、十分気を付けてくださいね。