かつて糸洲集落の生活を支えたムラガーと集落北側に位置するグスク跡☆|沖縄放浪日記

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2018年4月10日火曜日

かつて糸洲集落の生活を支えたムラガーと集落北側に位置するグスク跡☆

ハイサぁ~イ⭐

前々回、糸満市糸洲にある拝所『シーサー屋』『安里グスク』などをご紹介しましたが、そちらを見学した後、次に向かったのは『安里グスク』の東南東側に位置するグスク跡や集落内にある拝井泉です。

沖縄県糸満市糸洲にある

『糸洲グスクと復興乃泉』

糸洲グスクの写真
『シーサー屋』前から見た『糸洲グスク』。
最初に向かったのは『糸洲グスク』です。

グスクへの入口は東西2ヵ所あるんですが、まずは西側の入口から入ってみることに。。。
糸洲グスクの写真
写真中央に写る木々とコンクリートブロックの間にある小道が『糸洲グスク』西側の入口です。
西側の入口は、前々回ご紹介した拝所『シーサー屋』の前から南向けに進み、最初に差し掛かる十字路を左折し、約50mほど進むと、左側に先の尖った石が設置されている拝所があります。

その拝所の左側に細~い小道があるんですが、そこが『糸洲グスク』西側の入口になります。
糸洲集落の拝所の写真
グスク入口横にある拝所。
また、以前は入口横に『糸洲カー』と称される方形の池があったみたいなんですが、現在は整備されて残されていません。
糸洲グスクの写真
グスク南側を走る道路上から見た『糸洲グスク』。左側に見える黒いネットの手前側がグスクへの小道です。
小道を畑を縫うように歩いていくと、森の手前に辿り着くんですが、そこから道幅が広くなります。
糸洲グスクの写真
西側の入口を入って来たところ。道幅が広くなっていました。
その道の先へ行ってみると・・・
糸洲グスクの写真
石灰岩と同化するように造られた石垣。
草に覆われた石灰岩と同化するような石垣がありました。

手元にある分布図によると、どうやらこちらは『ウージンジョー』と称される"拝所"みたいですね。
糸洲グスクの写真
『ウージンジョー』の石垣。
石灰岩の根元付近にもいくつかの小石が置かれており、時折、御願に訪れているようでした。

また、石垣に向かって右側は森になっていたんですが、その中にも石灰岩や石垣等が葉の合間からチラッと見えました。
糸洲グスクの写真
草むらの奥にも石垣が見えました。
また、『ウージンジョー』の石垣の奥を覗き込むと、ちょうど岩の裂け目になっているようでしたが、雑草や木の根などが邪魔してあまり見えませんでしたね。。。
糸洲グスクの写真
『ウージンジョー』の石垣の奥の様子。
糸洲グスクの写真
『ウージンジョー』周辺は草木が繁茂していて、まるでジャングルのようになっていました。
『ウージンジョー』を見学した後、来た道を戻り、集落内へと向かいます。

すると、畑のど真ん中にポツンとコンクリート製の建造物があったので、南側へ回り込んでみると・・・
糸洲グスクの写真
畑の真ん中にある拝所。
内部にいくつかの香炉が見え、どうやらこちらも集落に住む門中の拝所となっているようでした。

この拝所を後にし、さらに集落の東側へ移動すると、一本の大きなデイゴの木が立つ場所の横下に立派な拝井泉がありました。
復興乃泉の写真
大きなデイゴの木の下に拝井泉があります。
道路から拝井泉へ下りる階段へ近づいてみると・・・

コンクリート製の屋根が設けられ、そこに『復興乃泉』と記されていました。
復興乃泉の写真
復興乃泉。
糸満市の『戦跡を歩く11』という資料によると、『復興乃泉』は『糸洲のミーガー』と称され、糸洲集落の"ムラガー"なんだそうで、糸洲集落だけでなく、束辺名(つかへな)や上里の両集落の生活も支えていたのだそうですよ

また、こちらの湧水は、かつては飲み水として使用されていたんだそうで、集落の"ンブガー(産井)"でもあったのだそうです。
(※参考⇒『6月23日 慰霊の日 特集 戦跡を歩く11』)
復興乃泉の写真
貯水槽右側奥に方形の穴が設けられていて、そこから水が湧き出ていました。
水道が普及した現在、『復興乃泉』の水は、近隣の畑の水やりに使用されているようです。
復興乃泉の写真
『復興乃泉』の屋根に向かうことの出来る小道。後方の石垣には1基の香炉が納められていました。
『復興乃泉』は、周囲を石垣で囲われており、表の道路から屋根の上に行くことが出来ます。

その周囲を囲う石垣には、拝みの際に使用する1基の香炉が納められていました。
復興乃泉の写真
石垣に収められている1基の香炉。
『復興乃泉』を見学し終えた後、集落道路を東回りに戻っていくと、 『糸洲グスク跡』がある丘陵地の森の一画にポッカリと開いた場所を発見。

丘陵地の手前にある畑の間からそこへと小道が続いていたので、畑仕事をしていた集落の方に話を伺うと、この奥に"拝所"が2ヵ所あるとのこと。

その方に許可を頂き、最後にその森の中へと入っていきました。
糸洲グスクの写真
『糸洲グスク』東側の入口。小道の先にポッカリと開いた森の入口が見えます。
小道を進んでいくと、草刈りが行われて間もないらしく、とても歩きやすかったですね。

先程の集落の方の話によると、最近草刈り清掃が行われたばかりとのこと。

どうりで道周辺が綺麗で歩きやすかったんですね~(笑)。
糸洲グスクの写真
森の入口。
ほいで、森を入って行くと、道の突き当りで左右に分岐していました。
糸洲グスクの写真
森の内部。
糸洲グスクの写真
道の突き当り。ここから道が左右に分かれます。
集落の方の話によると、"拝所"は、左右に1ヵ所ずつあるとのことでしたので、まずは右の方へ行ってみることにしました。
糸洲グスクの写真
分岐点から右の道を進んできたところ。
右の道の先には、円形の開けた場所があり、その中央に折れた木を囲う円形の石垣がありました。

その円形の石垣へ近づいてみると・・・
糸洲グスクの写真
折れた木を囲う円形の石垣の拝所。
石垣の南側の方に少し窪んだ場所があり、そこに線香が置かれていました。

どうやらこちらも"拝所"となっているようです。
糸洲グスクの写真
上の拝所の後方にあった方形の石垣の拝所。
また、この拝所の後方(北側)に石垣が方形に造られた場所があったんですが、初めはこの奥に"拝所"があって、その入口なのかとも思ったんですが、その先に道は見当たらなかったので、こちらも"拝所"となっているようでした。

この2ヵ所の"拝所"を見学した後、今度は反対側の道の先へ行ってみることにしました。
糸洲グスクの写真
分岐点から見た左の道の先。奥に広場が見えます。
集落の方の話によると、右の拝所よりも左の拝所の方が大きいとのことだったんですが、その左の道の先へ行ってみると・・・広ーい広場が出現しました。
糸洲グスクの写真
左の道の先にあった広場。左奥の方に"拝所"がありました。
ほいで、そのまま広場の奥へと進んでいくと、広場北側に立派なガジュマルの木があったんで、その根元が"拝所"となっているのかと思いきや、そこには香炉や祠などはなく、"拝所"はありませんでした。。。
糸洲グスクの写真
広場の北側にある大きなガジュマルの木。
んで、そのガジュマルの木の前から少し南側へ移動すると、そこにも立派なガジュマルの木が立っていたんですが、その木の根元に石で小さく囲われた場所を発見。

そのガジュマルの根元へ近づいてみると、その囲いの中に線香が置かれていました。
糸洲グスクの写真
上のガジュマルの木の南側に立つガジュマルの木。この木の根元が"拝所"となっていました。
糸満市の資料の分布図によると、こちらは『トゥン』と称される"拝所”となっているようですね。
糸洲グスクの写真
ガジュマルの木の根元にある拝所(トゥン)。
先述した『ウージンジョー』と、こちらの『トゥン』の拝所を含む東西に跨るこの一帯は『糸洲ヌ殿遺跡』と呼ばれているみたいですね。

この"拝所"を見学した後、ほかに"拝所"が無いか広場内をしばし散策しましたが、祠や石垣、井戸跡などの遺構は見当たらなかったので、そのまま引き返して森を出ました。

森を出ると、集落の方がまだ畑仕事をしていたので、「ありがとうございました~」とお礼を伝えた後、そのままクルマへと戻り、糸洲集落の北側に隣接する字伊敷へと移動しました。

後で分かったことなんですが、以前ご紹介した『安里グスク』の南側には、かつては安里集落があったとのこと、しかし、後に糸洲集落に吸収され、安里集落自体は消滅したんだそうです。

なので、以前ご紹介した小波蔵集落と糸洲集落の境界にある4ヶ所の拝所は、もしかすると、かつての安里集落に住んでいた門中の拝所なのかもしれませんね。

・・・と、今回も少し長くなってしまいましたが、今回はこの辺で終わりにしたいと思います。

それでは、この辺で。。。でわでわ☆★☆

最後まで読んで下さいまして、誠にありがとうございますm(_ _)m
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『糸洲集落内に点在する拝所

☆場所:〒901ー0342
      沖縄県糸満市糸洲

☆見 学:無料

☆駐車場:無し

※訪れる際は、くれぐれもマナーを守って、他の来訪者や地元の方々に迷惑をかけないよう、十分気を付けてくださいね。