前回ご紹介した浜比嘉島の浜集落南側にある『西の御嶽(シリギチャー御嶽)』を見学した後、同集落内に点在する史跡を見学しに向かいました。
沖縄県うるま市勝連浜(浜比嘉島)に点在する
『ヌン殿内をはじめとする拝所群』☆
浜公民館裏手にある木々に囲まれた『ヌン殿内』。 |
浜公民館の敷地内にある『地頭代火の神(浜)』。 |
ちなみに、この祠は昭和43年12月に改築されたものとのことです。
『地頭代火の神(浜)』に続く参道の手前左側に説明板が設置されていたので、そちらを読んでみると・・・
『地頭代火の神(浜)』の説明板。 |
≪勝連町指定文化財4号 地頭代火の神 民俗資料(無形民俗文化財)≫
≪字浜の公民館敷地内に、コンクリート製の小祠(しょうし)があり、その中に火の神の依り代として三個の霊石を祀った拝所である。琉球王府時代、浜には地頭代のおえか地(役地(えきち))があり、地頭代となるには先ず浜地頭を務めなければならなかったという。
祠手前の参道の両側には赤色の灯籠が設置されていました。 |
尚現在の小祠には、『琉球国由来記』に記される「殿(浜里主所)」と合祀されている。今でも、立身出世の神として、進学、旅立ちに際し祈願する慣わしになっている。
文化財保護条例により、勝連町文化財に指定します。
平成7年2月20日 勝連町教育委員会≫
・・・とありました。祠内部には数基の香炉が納められているのが見えました。 |
うるま市の資料『うるま市文化財シリーズ 浜比嘉島』によると、現在も村の祭祀の際にも祈願が行われているんだそうですよ。
また、『地区景観資源めぐりマップ』によると、『地頭代火の神(浜)』のある『浜公民館』前の道は、『綱引き』の場として使用されているとのことです。
『浜公民館』前の『綱引きの場』として使用される道。 |
東側から"公民館"側を見たところ。 |
『浜公民館』裏手にある『ヌン殿内』。 |
ヌン殿内。 |
こちらも参道から内部の様子を伺うと、説明にあった"扇"は見えませんでしたが、祭壇の上にうっすらと香炉などが見えました。
『ヌン殿内』を後にし、今度は集落の西側へと向かいます。
『サーターヤー跡』。 |
南側から見た『サーターヤー跡』。 |
この『サーターヤー跡』を見学した後、次は先程の『ヌン殿内』前を通過し、東側へと向かいます。
アガリエーガー(親川家)。 |
こちらの前に到着した際、前述したフクギの木に囲われた空き地にクルマが1台入ってきたので、クルマに乗っていた地元の方にお話を伺うと、こちらは『アガリエーガー(親川家)』と称される拝所なんだそうで、住人はおらず、年中行事の際に回る"拝所"の一つなんだそうです。
『アガリエーガー』前のフクギ並木と"あいかた積み"の石垣。 |
"あいかた積み(相方積み)"の石垣とシーサー。 |
『アガリエーガー』の"離れ"。 |
アガリガー。 |
四角く囲われた『アガリガー』。 |
また、以前、集落の南南西に位置する『シーローガー(水道ガー)』を訪れた際にお会いした集落の方のお話によると、『シーローガー』が"イーヌカー"(西のカー)と呼ばれるのに対して、こちらを"アガリガー"(東ガー)と呼んでいるのだそうですよ。
※沖縄の方言で、『東』のことを"アガリ"、『西』のことを"イリ"と呼びます。
訪れた時は、水は流れていませんでした。 |
・・・と、こちらの『アガリガー』まで見学した後は、一旦クルマへと戻り、集落の西側へと移動しました。
浜集落の西海岸に位置する『浜比嘉ビーチ』。 |
『竜宮神(サングヮチャー石)』。 |
また、護岸を埋め立て整備される前は、海岸に平たい大きな石があって、そこで海獣のジュゴンや魚類、豚などを解体する場所であったんだそうですよ。
『東の御嶽(シヌグ堂)』では"海が時化る"ことを祈願し、こちらでは"航海安全"が祈願されるなんて、ちょっと不可思議ですねw
『浜グスク』北東に位置する比嘉集落に繋がる道路。 |
浜集落から比嘉集落へ繋がる道路が、『浜グスク』をグルッと北側から回り込むような感じであるのですが、その途中の比嘉集落に向かって右側に畑があるのですが、その畑の後方の森に『世ちゃ川(ユチャガー)』と称される井泉があります。
道路沿いにある畑の後方の森に『世ちゃ川』があります。 |
また、『地区景観資源めぐりマップ』には、≪かつて稲作にはシーローガーの水を使用いたが、その水が足りなくなった場合はユチャガーから水を引いていた≫と記載されていました。
※参考⇒J-TRIP[琉球開闢の神が降臨した島 パワースポット浜比嘉島]
世ちゃ川。 |
『世ちゃ川』の前には1基の香炉とコンクリートブロックが2個置かれていました。 |
現在も豊富な水を湛えていました。 |
・・・と、ここまで見学した後は、再び浜集落へと戻り、前々回にご紹介した『レストラン むいにー亭』さんで食事をとって浜比嘉島を後にしました。
今回、浜集落内に点在する史跡を紹介してきましたが、ご紹介してきた史跡の他にも、集落内には"井戸跡"らしきものもいくつか点在していました。
『アガリエーガー』前のフクギ並木の近くにあった井戸跡。 |
集落内の駐車場として使用されている場所にあった井戸。 |
畑の一画にあった井戸。 |
また、集落内には昔ながらの趣のある風景が残されており、ゆっくり散策していると、とてもほっこりします。
ご紹介してきた拝所や井泉などの史跡を見学しながら、ゆっくりと流れる島時間を感じてみてはいかがでしょうか?
今回は、ちょっと長くなってしまいましたが、そろそろこの辺で。。。でわでわ☆★☆
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☆『アガリエーガー』・『アガリガー』・『地頭火之神(浜)』・『ヌン殿内』・『竜宮神(サングヮチャー石)』・『世ちゃ川』☆
☆場所:〒904-2315
沖縄県うるま市勝連浜(浜比嘉島)
☆見 学:無料
☆駐車場:無し
※訪れる際は、くれぐれもマナーを守って、他の来訪者や地元の方々に迷惑をかけないよう、十分気を付けてくださいね。