以前、うるま市與那城屋慶名にある『キングタコス 与勝店』をご紹介しましたが、そちらで美味しい"タコライス"を食べた後、少し時間があったので、ついでにうるま市に属する『平安座島』の平安座集落北側に位置する拝井泉を見学しに行ってきました。
まず最初に向かったのは、1995年(平成7年)6月14日にうるま市(当時は与那城町)の文化財に指定された拝井泉です。
沖縄県うるま市与那城平安座(平安座島)にある
『与佐次川(ユサチガー)』☆
集落の北側を走る道路沿いにある赤瓦屋根の『与佐次川(ユサチガー)』。 |
『浜比嘉島』を訪れた際に撮影した『平安座島』遠景。 |
そして、そこから約330mほど進んでいくと、道路沿い右側にあります。
平安座集落後方を走る道路沿いにある『与佐次川(ユサチガー)』。 |
与佐次川(ユサチガー)。 |
赤瓦屋根の支柱に設置されていた説明板。 |
≪与佐次川≫
≪●泉井は、古くは山手の方にあったと伝えられるが乾隆年間(1737年頃)に現在地に移設した石像建築で与那城町の指定文化財である。●瓦屋根の建造は平成11年2月10日(1999年)に完成した。
平安座自治会≫
・・・とありました。『与佐次川』の右側に建立されていた"おもろ"が刻まれた石碑とその歌意と由来が記された碑文。 |
歌碑には≪ひやむざよ さきかわ てもち よすきいちへて くにてもち おぎやかもいに みおやせ(平安座濯ぎ川 手持ち 濯ぎ出ぢへて 国手持ち おぎやか思いに みおやせ) おもろさうし第十六巻二十八章≫と刻まれていました。
(※参考⇒『おもろさうし』テキストデータベース 16-1154(28)うらおそい節)
おもろさうし 第十六巻二十八章のおもろが刻まれた歌碑。 |
≪平安座ゆさちかーに 宝物玉を浄めて その宝物を 我が国主に尚真王にささげん
琉球最古の歌謡集「おもろさうし」にある神歌の一種である。平安座ゆさちかーが如何に神聖なる井泉であり歴史的に常拝されてきたががうかがわれる。
歌意と由来が記された石碑。 |
又旧正月三日には門中一族が参詣。子孫繁昌、無病息災を聖水に祈願するウビナティーは由緒ある伝統行事として平安座人の心のよりどころとなって代々続いている。
平成六年九月吉日建立 平安座自治会≫
・・・とありました。『与佐次川(ユサチガー)』の内部。 |
現在も水を湛えているらしく、『与佐次川』内部には水の流れ出る音が響いてました。
『与佐次川』の右側の傾斜地にある2つの拝井泉。 |
うるま市教育委員会の資料では『カー』とだけ記載されていました。 |
(※参考⇒『うるま市文化財シリーズ③ うるま市の遺跡』)
また、こちらは古い方形の石垣で水源を囲うように造られていましたが、手前右側の石垣が少し崩れた状態になっていました。
"カー"の貯水槽。 |
下側の"カー"を見た後、左側にある階段を上がり、上側の"カー"を見学しに向かいました。
上の"カー"に続く階段途中にある貯水槽。 |
これは、傾斜地の上の方から流れてくる水をこちらで一時的に溜め、流れ出る方向を変えるために造られたものと思われます。
そして、この小さな貯水槽を通過すると、目の前にコンクリートで造られた大きな"カー"が現れます。
ユタカガー(東豊河)。 |
『ユタカガー』の内部。奥の内壁に右から『東豊河』と記されています。 |
『ユタカガー(東豊河)』の貯水槽。 |
『ユタカガー(東豊河)』の左側にあった獣道。 |
『ユタカガー』の上方にあった畑。 |
・・・と、ここまで見学した後は、クルマへと戻り、『与佐次川』前の道を北向けに進みました。
平安座集落の北側を走る道路沿いにあった貯水槽。 |
こちらは、"カー(拝井泉)"っぽくはなかったんですが、道端には香炉のようなものが置かれていたり、貯水槽横にも平たい石が設置されていたので、もしかすると、こちらも拝井泉となっているのかもしれませんね。。。
※あくまで個人的な憶測なので、定かではありませんが。。。
貯水槽の横。香炉っぽい方形の石と平たい石が置かれていました。 |
貯水槽は2つに分けて造られていました。 |
すると、集落の北西側の道路沿い右側に古い石積みで囲われた拝井泉をまたまた発見しちゃいました。
イシガー(石河)。 |
うるま市の資料によると、こちらは『イシガー(石河)』と称される拝井泉とのことで、こちらの湧水は、かつては集落の生活用水として使用されていたんだそうです。
イシガー(石河)。 |
(※参考⇒『うるま市文化財シリーズ⑧ 平安座島』)
『イシガー(石河)』手前右側には霊石らしき円形の石が置かれていました。 |
『イシガー(石河)』の貯水槽。 |
これはもしや・・・と思い、建物の前方へ回り込んでみると・・・
『イシガー』の道向かいにある拝所。 |
ただ、うるま市の『平安座島』に関する資料の分布図等にはこちらの拝所は、掲載されていないので、たぶん集落に住む門中の"拝所"なのでしょうね。
そして、『イシガー』やこの"拝所"から道を西向けに進んでいくと、今度は左側にある民家前にも拝井泉を発見しました。
民家前にあった『ミーガー(新河)』。 |
この『ミーガー』の左側に小さな畑があり、そこで農作業をしていた集落の方に少しだけお話を伺うと、かつてはここで洗濯をする時に使用していた井泉とのことでした。
『ミーガー』の貯水槽。こちらは半月状に造られていました。 |
この『ミーガー』を見学させて頂いた後は、そのままクルマへと戻り、この日最後に平安座集落の南西側に位置する『海中道路』沿いにある『平安座西公園』に立ち寄りました。
世開之碑(よあけのひ)。 |
石碑の台座部分に刻まれた詩。 |
台座部分にある『海中道路建設沿革』。 |
あの時は、道路幅が狭く、道の両側はすぐ海なので、幼いながらにクルマ落っこちないかなぁ~なんてビクビクしていたものです(笑)。
それが今や片側2車線の立派な県道となり、海に落っこちる心配もなく(笑)、勝連半島から『平安座島』・『宮城島』・『伊計島』・『浜比嘉島』に安全・快適に渡ることができるようになっちゃいましたね(笑)。
(※参考⇒Wikipedia『海中道路』)
『世開之碑』を見ながら、つい過去の思い出にふけっちゃいました(爆)。
・・・と、この『世開之碑』を見学した後、この日はそのまま帰宅の途に就きました。
んで、別の日に『宮城島』へ出かけた際、その帰りに平安座集落の東側の県道10号線沿いに"拝所"があるのを発見したので、ついでにそちらもご紹介させて頂きますね。
平安座集落の東側の海岸にある3ヵ所の拝所。 |
その岩場の上に3つの"拝所"があります。
県道側の岩の上にある『竜宮チンク底神』の拝所。 |
竜宮チンク底神。 |
そして、この『竜宮チンク底神』の拝所のある岩から海側に突き出た岩場には2つの拝所があります。
海に突き出た岩場へ向かうところの様子。 |
岩場の上にある2基の拝所。左奥には『ナンザ(南座岩)』と称される拝みを行う2つ岩が見えます。 |
そして、その鳥居の後ろの壁には、『底神大龍宮・龍宮(女神)・世界番引カシ』と記されていました。
『底神大龍宮・龍宮(女神)・世界番引カシ』の拝所。 |
『月海イビー 真珠』の拝所。 |
この2基の"拝所"は、その先の海に浮かぶ2島に向けて設けられているように見受けられました。
『底神大龍宮・龍宮(女神)・世界番引カシ』と『月海イビー 真珠』の後方に受かぶ『ナンザ(南座岩)』。 |
ニッツ(根人)や自治会長等が島の東側にある「ナンザ」という岩へ行き、タコなどを備えて大量豊漁を祈願するのだそうです。
そして、その後は、岩から帰ってきた男性たちは手ぬぐいや仮面などで仮装し、浜辺に向かうのだそうです。
浜辺ではノロ(神女)達が待っており、浜に下りて三味線や太鼓を打ち鳴らし、三月旗を挙げて歌い踊りながら、「ナンザ」から帰ってくる男性たちを迎えるんだそうですよ。
(※参考⇒『うるま市文化財シリーズ⑧ 平安座島』)
いかがでしたでしょうか?
後日、『平安座島』の史跡をいろいろ調べてみると、今回ご紹介した史跡の他にもまだまだたくさんの拝所や拝井泉などの史跡が点在しているとのこと。
なので、また時間を設けて平安座集落内を散策してきたいと思います。
それでは、この辺で。。。でわでわ☆★☆
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☆『平安座集落に点在する史跡』☆
☆場所:〒904ー2426
沖縄県うるま市与那城平安座(平安座島)
☆見 学:無料
☆駐車場:無し
※訪れる際は、くれぐれもマナーを守って、他の来訪者や地元の方々に迷惑をかけないよう、十分気を付けてくださいね。