琉球石灰岩で作られた樋が当時のまま残る浦添市安波茶にある樋川☆|沖縄放浪日記

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2018年8月14日火曜日

琉球石灰岩で作られた樋が当時のまま残る浦添市安波茶にある樋川☆

ハイサぁ~イ⭐

先週金曜日(10日)は、午後から久しぶりに浦添市の史跡を見学しに行ってきました。

まず最初に向かったのは浦添市安波茶の閑静な住宅街の一画にある平成14年3月1日に浦添市の文化財に指定された"樋川(ひーじゃー)"です。

沖縄県浦添市安波茶にある

『安波茶樋川(あはちゃふぃーじゃー)

安波茶樋川の写真
浦添市安波茶の閑静な住宅街の一画にある『安波茶樋川』。
こちらは、浦添市の県道153号線38号線が交差する『安波茶交差点』から県道153号線を同市牧港向けに進み、約150mほどの距離左側にある脇道(県道153号線と運動公園通りがぶつかる信号の1つ手前)に入り、道なりに約190mほど進んでいくと、道路沿い右側にあります。
安波茶樋川の写真
道向かいにある駐車場から見た『安波茶樋川』全景。
『安波茶樋川』前の道は、幅員が狭くて路肩にクルマを停めることが難しかったため、樋川の道向かいにある駐車場の一画にちょこっとだけクルマをハザードを付けたままの状態で停めさせもらい、すぐさま見学に向かいました。

『安波茶樋川』は、ずーっと前に一度訪れたことがあったんですが、その時までは周囲に繁茂する草木に囲われてて、全然目立たなくて分かりにくかったんですよねぇ。。。
(※参考⇒うらそえナビ『安波茶樋川[市指定史跡]』)
安波茶樋川の写真
道路上から見た『安波茶樋川』
んで、数年前から復元工事が行われ、昨年(2017年)、無事に工事が完了して同年4月16日に『安波茶樋川復元落成式』が行われ、以前よりも分かりやすく、しかも立派な"樋川"となりました。
(※参考⇒湧き水fun倶楽部 活動記録『安波茶樋川復元落成式』)

『安波茶樋川』の全景を写した上の写真を見てみると、樋が通っている場所の左右両側は斜面が剥き出しの状態になっているのが分かると思うんですが、これは、単に手抜き工事をしたのではなく(笑)、斜面が再度崩れてこないように施行し、数年後には木々が生えてくるように工夫されているんだそうです。
ってことは、数年後にはまた草木に囲われた樋川を見ることが出来るようになるってことですねw
安波茶樋川の写真
表の道から樋川に下りることができる階段途中に説明板が設置されていました。
・・・と、話を戻しまして。。。

復元工事完了後は、表の道から樋川へ簡単に下りることが出来るように綺麗な階段が設けられており、その壁面には『安波茶樋川』の説明板が設置されていました。

その説明を読んでみると・・・
浦添市指定文化財 史跡 安波茶樋川≫
≪安波茶樋川は、古くから安波茶集落の人々に大切にされてきた井泉の一つです。『琉球国旧記』(一七三一年編纂)に「安波茶樋川」の記述があることから、十八世紀の中頃には存在していたと推定されます。

水道ができる以前、安波茶樋川は人々が生活に必要な水を汲むところで、この水は子どもが生まれたときの産水や、正月の若水としても利用されました。
安波茶樋川の説明板の写真
『安波茶樋川』の説明板。
また、樋川から流れ出る水は人の体を育て、健康を保つセジ(霊力)があると信じられ、信仰の対象にもなっていました。

安波茶樋川の樋は、四つの琉球石灰岩をつなげてつくられており、その長さは約四.八メートルあります。

安波茶樋川は、現在も樋が当時のまま残る貴重な井泉で、人と水の関わりを知る上で大切な文化財です。
平成十四年三月一日指定 浦添市教育委員会≫
・・・とありました。

説明を読み終え、階段の先に設けられた水辺のほとりに下り、『安波茶樋川』を見てみると、奥の斜面の麓にある小さな穴から手前まで、4つの琉球石灰岩で作られた樋が見えました。
安波茶樋川の写真
水辺のほとりから見た『安波茶樋川』。約4.8mの長さを誇る樋と通って水が流れ出ていました。
『湧き水』に関する情報収集を発信している『湧き水fun倶楽部』さんの資料『浦添の湧き水』という資料によると、かつては飲み水を汲みに来る人や洗濯をする人、農工具を洗いに来た人などなど沢山の人達が訪れていた、いわゆる社交の場となっていたようです。

現在の水量は、チョロチョロと小さな音を立てて流れ出るくらいの水量ですが、当時は樋の下に"たらい"を置いて水を受けるほどの落差があり、音を立てて流れ落ちるほどの水量があったようですね。

また、干ばつの際には、周辺の井戸は水が涸れてしまったそうですが、『安波茶樋川』は干ばつにもかかわらず水が流れていたそうで、遠方からも訪れる人がいたんだそうですよ。
(※参考⇒湧き水fun倶楽部『浦添の湧き水』)
安波茶樋川の写真
『安波茶樋川』の湧水は、表の道の下を通って小川に流れ込み、最後はシリン川に流れているとのことです。
この『安波茶樋川』周辺には、戦後まで田んぼがあったそうですが、昭和30年代に発生した干ばつの影響で田んぼの水が枯れてしまい、現在は全て畑にかわったのだそうです。

・・・と、ここまで見学させて頂いた後は、『安波茶樋川』の斜め向かい側にある小道へ進み、この近くにある井泉へと移動しました。
安波茶樋川・津俣ガーの写真
『安波茶樋川』の向かい側にある小道。
小道に入ると、右側にあるさらに幅員の狭い小道があるんですが、そこを入っていった先にも井泉があるんだとか。。。

しかし、いくら探してもなかなか見つからず、道端で採方に暮れていると、この小道沿いにある畑で農作業を始めようとしていたおじいさんがいたので、その方に聞いてみると・・・「あぁ、この井戸だったらすぐ近くにあるよ」と、ご親切にもその井戸がある場所まで案内して下さいました(笑)。
おじいさん、その節は誠にありがとうございました🙇🙇🙇
津俣ガー(チマタガー)の写真
井戸へ向かう小道の入口。
その井戸は、小道を入って約80mほどの距離にある未舗装の獣道みたいな脇道に入り、その奥にある雑草が生い茂った藪の中にありました。
津俣ガー(チマタガー)の写真
井戸へ向かう道の入口。小道から雑草をかき分けながら進みました(笑)。
小道からその未舗装の小道に入って十数m進むと、おじいさんが「この奥にあるんですけどねぇ。。。」と言いながら、人の背丈ほどある雑草が繁茂する茂みの中へ進み始めたので、ワタクシもそれに続きました(笑)。

「この辺は、ハブが多いから気を付けてよぉ~」と声をかけてもらいながら、おじいさんについていくと、視界が開け、向かい側にある斜面の麓にコンクリートブロックで方形に作られた井戸が現れました。
茂みの奥にあった『津俣ガー(チマタガー)』。
『湧き水fun倶楽部』さんの資料によると、この井戸は『津俣ガー(チマタガー)』と呼ばれる井戸なんだそうで、その昔、この一帯は『津俣原(チマタバル)』と称されていたことからその名が付いたそう、とのことです。
(※参考⇒湧き水fun倶楽部:https://wakimizufun.ti-da.net/c138721.html)
津俣ガー(チマタガー)の写真
津俣ガー(チマタガー)
近づいて『津俣ガー』を覗き込んでみると、下の方に水が溜まっているのが見えたんですが、よぉ~く見てみると、水底まで見えたので、こちらの水も比較的綺麗なんでしょうね。
津俣ガー(チマタガー)の写真
『津俣ガー』の内部。暗くてよく見えませんが、水底まで見えましたよぉ~。
・・・と、この『津俣ガー』を見学させて頂いた後は、おじいさんと一緒にそのまま来た道を戻っていったんですが、その際に「向かい側の畑の奥にも、昔水路があったらしくて、今もその跡みたいなもんが残っているらしいですよ。」と親切に教えて下さいました。

まぁ、この日はすでに次の目的地を決めていたので、そちらはまたいろいろ調べた上で、いつか再訪したいと思います(笑)。

んで、クルマに乗り込む前に、案内までして下さったおじいさんに「ありがとうございました~」とお礼を伝えてから、次の目的地に向けてクルマを走らせました。

ちょっと短いですが、区切りがいいので今回はこの辺で終わりにして、この続きはまた別の回にご紹介したいと思います。

それでは、そろそろこの辺で・・・でわでわ☆★☆

最後まで読んで下さいまして、誠にありがとうございますm(_ _)m
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『浦添市安波茶にある史跡

☆場所:〒901ー2114
      沖縄県浦添市安波茶

☆見 学:無料

☆駐車場:無し

※訪れる際は、くれぐれもマナーを守って、他の来訪者や地元の方々に迷惑をかけないよう、十分気を付けてくださいね。