この前、前々回にご紹介した前田集落発祥の屋敷跡などがある『ジリチン毛』を見学した後、同集落内に点在する井戸跡などの拝所群を見学しに向かいました。
※今回も、ちょっと長いですが、ご了承下さい。。。😅
沖縄県浦添市前田に点在する
『前田権現や井戸跡などの拝所群』☆
浦添市前田の閑静な住宅街の中にひっそりと佇む『前田権現』。 |
"ワイトイ"と聞くと、本島中部のうるま市勝連平安名にある『ワイトゥイ』を思い出したんですけど、あちらはたしか断崖を約3年もかけて人力だけで掘削し、農道を開通させたんですよね。。。
こちらも、かつて人の手だけで、数年かけて断崖を掘削した農道を開通させた場所だったのでしょうね。
うるま市勝連平安名の『ワイトゥイ』のように掘削した断崖の痕跡は全く残っていませんが。。。
おっと、、、話がちょっと逸れてしまいましたが。。。この『サクグイヌメーヌワイトイ』の交差点を右折し、約300mほど進んでいくと、道路沿い右側に『川端井戸(カーバタガー)』と呼ばれる井戸があります。
川端井戸(カーバタガー) |
そして、そこから水道管のような細い管が通されていたので、もしかすると現在も畑の水やりなどに利用されているのでしょうね。
『川端井戸(カーバタガー)』の横に立てられていた『瑞穂の泉』と記された石碑。 |
沖縄戦の際、この一帯は激戦地であったので、もしかする石碑にある二つの穴は弾痕の可能性が高いですね。
石碑には、昭和十八年四月二十二日改修とも記されていました。
井戸の後方の塀にあった香炉。 |
また、香炉がある塀の後方には小屋があったんですが、そちらは『石川門中 川端』と記された表札だ設置されており、『石川門中』の拝所となっていました。
『川端井戸(カーバタガー)』の後方にある『石川門中 川端』の拝所。 |
仲新屋ヌ前ヌ川(ナーカミヤヌメーヌカー) |
琉球石灰岩の霊石と香炉がありました。 |
こちらも、ネットで資料などを探したんですが、何も見つからず詳細は分かりませんでしたね。。。
この『仲新屋ヌ前ヌ川(ナーカミヤヌメーヌカー)』から、さらに西へと進みます。
トゥンチガー |
前述した2つの"井戸"同様に、こちらにも蓋が設置されていましたね。
『トゥンチガー』。道路側ではなく、南西側に香炉が置かれていました。 |
『トゥンチガー』の道向かいにある拝所。 |
こちらの拝所は『前田地域散策マップ』にも表記されていなかったですね。。。
この『トゥンチガー』のある場所から、さらに西へ進み、約70mほどの距離右側に小さな路地があるんですが、その奥に"拝所"があります。
『トゥンチガー』から約70mほどの距離にある小さな路地。 |
表の道から路地を入ってきたところ。右側の奥に井戸跡が見えます。 |
『前田権現』へ献上する水を汲むための古井戸。 |
そして井戸の前には香炉が1基置かれており、こちらも"拝所"となっているようでした。
古井戸を後にし、先程の階段を上がって行くと、右奥にコンクリート製の大きな祠が見えてきます。
路地の奥にある『前田権現』。 |
また、祠の前面下部には2基の香炉が設置されていました。
正面から見た『前田権現』。 |
伝承によると、昔、首里に勤めていた『くらしゅ石川』という人物が、通勤途中に『真和志堂(マージドゥ)』の馬場(フトゥキントゥウマイー)で毎日同じ黒石に躓いていたんだそうです。
『くらしゅ石川』は、この黒石を不思議な石だと思い、唐へ旅しに行く際に「どうか嵐に遭遇しても私を守ってください。もし守って頂ければ、あなたを神として崇めます。」と願をかけたんだそうです。
『前田権現』の案内板と「奉寄進」「阿氏佐久田親雲上守祥」の銘が記された灯籠。 |
現在の『前田権現』の祠は、創建年は不明とのことですが、かつては小さな石積みの祠だったようですね。
この『前田権現』を後にし、表の道へと戻り、今度は右斜め向かい側にある道へと進みます。
その道沿い左側にも"井戸跡"があります。
ハンタタイガー |
こちらも資料などが見つけられなかったので、詳細は不明です。。。
こちらを後にし、さらに西へと向かいます。
『ハンタタイガー』前から西へ約80mほど進むと、方々一車線の大きな道路に出るんですが、そちらを横切り、道向かいの前田集落内へと進みます。
そちらの集落内の南側の一角にも"井戸"があるんですが、こちらは『井の大人川(イノウシガー又はイノーシガー)』と呼ばれています。
ガジュマルの木の根元にある『井の大人川(イノウシガー)』。 |
井戸の名称に『大人』とありますが、これは『ウシ』と読み、尊称なんだそうです。
正面から見た『井の大人川(イノーシガー)』。 |
この名称は、首里王府から授かった名称だと言われており、かつて浦添グスクの前には広大な田んぼが広がっており、集落名である『前田』もそのことから付いたんだそうです。
貯水槽前面に『井の大人(ウシ)川』と記されています。 |
その際に、前面にある蛇口も設置されたんだそうです。
水道が普及する以前は、飲料水として使用され、戦時中には、収容所でお風呂に入るのも遠慮していた人たちがこっそりと水浴びに訪れていたんだそうですよ。
貯水タンクの側面には拝みのための香炉が1基設置されていました。 |
『井の大人川(イノーシガー)』を後にし、最後に浦添城跡の南側斜面にある井戸を見学しに向かいました。
こちらの井戸は、浦添市前田の『前田市営住宅1棟』後方にある遊歩道沿いにあるんですが、『浦添大公園南エントランス管理事務所』の後方の遊歩道から向かった方が、クルマも管理事務所駐車場に停めることができますし、行きやすいです。
山川ガー |
『山川ガー』を訪れた際、近くで地元の人が畑仕事をしていたんですが、その方のお話によると、この井戸から出る水は飲み水として使用されていたんだそうです。
『山川ガー』。上部の中央付近に小石が置かれており、その中央に穴が開けられていました。 |
しかし、全部塞いでしまうと、水を汲むことが出来なくなるため、ホース用の穴を設けたんだそうです。
現在は、畑の水やりに利用しているんだそうですよ。
・・・と、ここまで見学した後、クルマへと戻り、帰りがけにもう一ヵ所だけ回ることにしました。
前田公務員宿舎 前田住宅の南側にある『ジングスク』跡。現在は、貯水タンクが建てられています。 |
現在、この貯水タンクが建っている場所は、かつては『ジン(銭)グスク』と称されるグスクがあった場所なんだそうです。
貯水タンク北側 |
タンク周辺には、グスク跡を示す標柱や、拝所などは全く見当たらなかったので、どちらが正確な場所なのかは分かりません。。。
まぁ、完全に破壊されてしまっているみたいなので、こればっかりはどうしようもないですね。。。
また、『ジン(銭)グスク』についての資料なども、ネット上では見つけることが出来なかったので、残念ながら詳細は不明です。。。(泣)
・・・と、ここまで見学した後は、クルマへと戻り、帰宅の途に就きました。
後日、浦添城跡近くにある資料館『浦添城跡・ようどれ館』を訪れた際に、浦添市立図書館の2Fに、沖縄に関する書籍が収蔵されていると館内にいるガイドさんに教えてもらったんですよ。
なので、今度時間を設けて、そちらに足を運んで、いろいろ調べてみたいと思います。
今回も、凄く長くなってしまいましたが、そろそろこの辺で。。。でわでわ☆★☆
最後まで読んで下さいまして、誠にありがとうございますm(_ _)m
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☆『前田集落内に点在する史跡』☆
☆場所:〒901-2102
沖縄県浦添市前田
☆見 学:無料
☆駐車場:無し