◎竜宮の民話が残る史跡☆|沖縄放浪日記

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2015年8月25日火曜日

◎竜宮の民話が残る史跡☆

どぉ~もぉ~☆

昨日、沖縄本島は台風15号の接近に伴い、暴風雨が吹き荒れた一日でした。。。

ワタクシの所は、幸い被害がなかったので、ホッとしましたが、石垣島を始め、県内各地では大きな被害が出ているようです(>_<ξ

一日も早く復旧してほしいものですね・・・

さてさて☆

以前、西原町棚原にある『棚原グスク』を見学した後、グスク近くにある史跡も見学してきました♪

自宅に戻り、ちょこっと調べてみると、この史跡には竜宮にまつわる民話があるんだとか・・・

沖縄県中頭郡西原町棚原にある
『棚原ノロ殿内』
棚原ノロ殿内
こちらも、『棚原グスク』に向かう時と同じように、西原町棚原の北側の県道34号線沿いにある『アパートメントユニバーシティー』とゆーアパートの脇道から入り、しばらく真っ直ぐ進んでいくと、右手側にあります。

殿内のすぐ隣には、ゲートボール場がありますので、すぐ分かると思います♪

西原町のHPによると・・・

≪ノロ殿内は、マニシカニービ御嶽(上ヌ嶽)の聖地へ向かう手前に位置し、拝殿そのものは近年改修され、かなり立派なものになっている。

拝殿の中には祭壇が設けられ、ミルク(弥勒)神が祀られている。その左側には国元の神とニレー神の香炉が安置されている。拝殿の前には打ち水などに利用されている井戸と、一抱えほどもある自然石がある。≫
・・・とありました。
ノロ殿内に向かって左側にある自然石
右側にある『打ち水などに利用されている井戸』
また、≪伝承によると、そこに祀られている神々はユーヌ神(世の神)でもあるので、旅立ちの時にはここを参拝する慣わしがあった。棚原のミルク祭は、酉年の旧暦8月15日にミルク加奈志の誕生を祝って行われる。棚原の弥勒信仰は、首里から伝わったと言われている。≫とも書かれていました。

この『棚原ノロ殿内』の裏手側に、林の中へと続く階段があります。

そこを上がっていくと、『マニシカニービ御嶽(上ヌ嶽)』とゆー拝所があります。
ノロ殿内裏側から『マニシカニービ御嶽(上ヌ嶽)』へと続く階段
マニシカニービ御嶽(上ヌ嶽)〔神名:コバヅカサノ御イベ〕
琉球国の歴史を記した史書『球陽(きゅうよう)』の外巻となっている『遺老説伝』には、この御嶽の古くから伝わる民話が記されているとのこと。。。

昔、西原邑棚原に、稲福婆(いなふくばぁ)というノロがいました。

ある日、他のノロ(祝女)達と一緒に金鼓(ちんく:命令伝達や宮殿・寺院などで通知伝達に用いた鉦と太鼓)を鳴らしながら、神歌(おもろ)を唱え、上ヌ嶽の前で神遊びをしていると、突如、稲福婆がいなくなりました。

一緒にいた他のノロや村人達が総出で、村内を探し回りましたが、見つけることができず、稲福婆は、行方不明になってしまいました。

その事件から3年経ったある日、我謝村に住んでいる『鍛冶屋大主(かじやうふしゅ)』という人物が、海で釣りをしていると、漂流している人の形をしたものを見つけました。

よく見てみると、漂流していたのは人間で、頭には髪の毛が全く無く、全身には貝がくっ付いていました。

その人間は、大主に『私は稲福婆です。神遊びをしている時に竜宮へ連れて行かれました。しかし、そこでの食べ物は貝しかありませんでした。』と話し、黄色い物を吐き出しました。
上ヌ嶽(グスクヌチジ・グスクヌチヂとも言われるんだそうです)
大主は、すぐさま稲福婆を介抱し助けてあげました。

その話を聞きつけた人々は、稲福婆が竜宮から来たので『儀来婆(ぎらいばあ)』と呼ばれました。竜宮は『儀来河内(ぎらいかない)』と言われていたので、そう呼ばれるようになったそうです。

村人たちや身内の者は、竜宮での話を聞きたいと、稲福婆のもとへやってきましたが、稲福婆は一切話すことはありませんでした。

やがて、稲福婆のウワサは、首里まで広がり、ついに王様の耳にも伝わりました。

王様は、竜宮での話をぜひ聞きたいと、稲福婆をお城に呼び寄せました。すると、今度は、お城にたくさんの人々が殺到してしまいました。

野次馬達が騒いでいるのを見た稲福婆は、両脇に手を挟んだ瞬間、忽然とどこかへ消えてしまいました。

身内の者や村人たちが、またもや消えてしまった稲福婆を探し回ると、今度は上ヌ嶽で見つけることが出来ました。

・・・と、ちょっと長くなりましたが、ここまでがこの上ヌ嶽にまつわる民話です。

この『棚原ノロ殿内』から『棚原グスク』へ向かう途中の貯水タンク手前には、『火之神』が祀られている『殿小(とぅんぐわー)』という拝所もあります。
殿小(とぅんぐわー)
『火之神』が祭られています。
こちらも、西原町のHPによると、18世紀の史料にも記されている拝所なんだそうで、現在でも、棚原の人々によって拝まれているんだそうですよ。

この『棚原ノロ殿内』と『上ヌ嶽』、そして『殿小』は、『棚原グスク』のすぐ近くにあるので、『棚原グスク』と一緒に見学してみてはいかがでしょうか?

それでは、この辺で。。。でわでわ☆★☆

最後まで読んでくださって、ありがとうございますm(_ _)m
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☆『棚原ノロ殿内・上ヌ嶽』『殿小』☆

☆場所:〒903-0126
      沖縄県中頭郡西原町棚原140ー1

☆時間:自由見学(但し、ノロ殿内の内部は見学不可)

☆入場料無料

☆駐車場無し

☆トイレ:無し

※詳しくは、西原町の『生涯学習課』へお問い合わせください。