前々回、八重瀬町志多伯の5体の石獅子や『中ヌ井(ナカヌカー)』などの史跡をご紹介しましたが、今回は志多伯集落内に点在する拝所をご紹介させて頂きたいと思います。
※今回は、ちょっと長くなりますが、ご了承くださいませ。
沖縄県島尻郡八重瀬町志多伯に点在する
『下ムヌ井や御願小之お岳などの拝所群』☆
志多伯集落の祖先によって最初に掘られた井戸『シムヌカー』。 |
この2ヵ所の拝所がある場所も『西部プラザ公園』内となっており、東向けに伸びるクネクネと曲がりくねった遊歩道沿いに、この2ヵ所の拝所はあります。
『赤石の杜』の東側斜面にある |
手前から『神グサイ井戸』・『国元の井』・『クニンダ世ー』。 |
『神グサイ井戸』。石柱の後方に1基の香炉と遺構らしき白い石が集められていました。 |
この遺構が、『神グサイ井戸』あるいは『国元の井』の遺構なのかは不明です。。。
『国元の井』と記された石柱。 |
一番奥にあった『クニンダ世ー』と記された石柱。 |
この岩以外に、石積みなどの遺構は見当たらなかったんですよ。。。(泣)
『クニンダ世ー』と記された石柱の後方にあった石灰岩。 |
遊歩道から伸びる脇道の先にあった『御穂田(ミフーダ)』。 |
その説明を読んでみると・・・
≪御穂田(ミフーダ)≫
≪志多伯の田んぼの始まりの場所ともいわれ、六月ウマチーにお供えする稲穂が植えられていた。 現在は、稲作発祥伝説の地とされる南城市字玉城百名の受水走水(うきんじゅはいんじゅ)の稲穂を使用。≫・・・とありました。『御穂田(ミフーダ)』の説明板。 |
んで、説明を読み終え、2基の拝所を見てみると・・・
説明板の向かい側にある2基の拝所。 |
雑草に覆われてて分かりにくいんですが、手前側にあった『みふ田』の拝所。 |
『金満ウタキ』の拝所。こちらには1基の祠が設けられていました。 |
『御穂田(ミフーダ)』の拝所へ伸びる小道の前から遊歩道をさらに東へ進むと、右側に集落と繋がる出入口があったので、そこから集落に入ると、すぐ右側に木々が生い茂るこんもりとした小さな丘がありました。
『御願小之お岳』と『ミルク川神』などの拝所がある小さな丘。 |
丘の石灰岩の根元にあった『御願小之お岳』。 |
『御願小之お嶽』の裏手にあった『ミルク川神』(写真左)と1基の香炉が置かれた拝所(写真右上)。 |
斜面下側にあった『ミルク川神』の拝所。 |
斜面上部に立つ木の根元にあった拝所。 |
『御願小之お岳』の前から東向けに少し進んだ所にある拝所。 |
『北山・中山の遥拝所』。 |
≪北山・中山の遥拝所(ホクザン・チュウザンのウトゥーシ)≫
≪かつては、三月御願に牛一頭をそのままお供えしていた。 牛の地は葉につけ魔除けとして各家庭をまわったという。≫・・・とありました。『北山・中山の遥拝所』の説明板。 |
『北山・中山へお通し』の拝所。 |
すると、最初に差し掛かる十字路の向こう側に小さな説明板が立てられているのを発見したので、今度はそちらへ行ってみることに。。。
『北山・中山の遥拝所』から東へ約60mほど進んできたところにある『大井(ウフカー)』。 |
『大井(ウフカー)』の入口。 |
≪大井(ウフカー)≫
≪正月の若水(年初めに最初に汲んでお供えする水)として利用されている。 水量が豊富で干ばつでも水が涸れることがなかったという。 昔はこの大井から公民館隣のソーコまで水道を引いていた。≫・・・とありました。『大井(ウフカー)』の入口に立てられていた説明板。 |
入口から見た『大井(ウフカー)』。 |
大井(ウフカー)。 |
『大井(ウフカー)』の敷地内に立つ立派なガジュマルの木。 |
入口を入って右側には溜池がありました。 |
『大井(ウフカー)』の入口の前から見た『下ムヌ井(シムヌカー)』。 |
≪下ムヌ井(シムヌカー)≫
≪志多伯の祖先によって掘られた最初の井戸である。 志多伯では拝みに行くときは、必ずこの井戸を一番初めに拝んでから大井や他の井戸を拝みに行く。≫・・・とありました。『下ムヌ井(シムヌカー)』の説明板。 |
『下ムヌ井(シムヌカー)』の拝所。 |
また、間口には金網が設けられてはいたんですが、こちらもかなり劣化しており、しかも内部に草木が生い茂ってて、内部の様子が全く分からない状態になっていました。。。
下ムヌ井(シムヌカー)。 |
この『下ムヌ井(シムヌカー)』まで見学した後はクルマに乗り込んで、先程ご紹介した『御願小之お岳』の方へ一旦戻り、今度はそこから西へ向かいました。
『御願小之お岳』の前から西へ約30mほど進むと、右側の一段高くなった場所へと伸びる階段があるんですが、そこを上がると敷地の奥に『根屋』と称される小屋があります。
根屋。 |
(※参考⇒沖縄方言辞典-あじまぁ沖縄『ニーヤー(根屋)』)
小屋の隣に立てられていた『根屋』と記された小さな石板。 |
志多伯集落のブログを拝見させて頂くと、志多伯集落の『根屋』は、豊年祭では『道ズネー』の際に、野呂殿内の次に2番目に拝みを行うところなのだそうですよ。
(※参考⇒志多伯『村の発祥の地「根屋(ニーヤ)」』)
『根屋』の敷地内の左奥にあった拝所。 |
その祠へ近づいて見ると、内部には1基の香炉が納められており、その香炉を囲うように3基の霊石が置かれていました。
霊石の形や配置から、こちらの拝所は"火ヌ神"が祀られているものと思われます。
※あくまでワタクシ個人の憶測ですので、定かではありませんよ。。。
こちらの拝所まで見学した後で、次の場所へ移動。。。
今度は『根屋』の前からさらに西へ約65mほどの距離左側に小道を発見したんですが、その小道の先に小さな祠がありました。
道路から少し奥まった場所にある拝所。 |
中間之殿。 |
『御願小之お岳』の前から、南へ伸びる道路を下っていき、約130mほどの距離左側にある脇道へ左折、そして最初に差し掛かる小さな十字路を右折すると、すぐ右側に『東ヌ御嶽』という拝所がある敷地があります。
『東ヌ御嶽』という拝所がある敷地。 |
んで、入って紙を上げればいいんですけど、こちらの敷地は入口に門が設置されており、しかも閉じられた状態になっていたため、今回は入るのを断念しました。。。
・・・と、ここまで見学した後は、志多伯集落を後にし、次の目的地へと向かいました。
今回は2回に分けて、志多伯集落内に点在する史跡をご紹介させて頂きましたが、5体の石獅子や、『上井(ウフカー)』・『中ヌ井(ナカヌカー)』・『下ムヌ井(シムヌカー)』などの拝井泉、そして『御願小のお岳』などの拝所等々、多くの史跡が点在していてとても驚きましたね(笑)。
『西部プラザ公園』内にある『テミグラグスク(テミグラの杜)』や『フサトモー・クワギブク嶽(金満の杜)』、『赤石の杜』を訪れることがあれば、『西部プラザ公園』を囲う小城集落・当銘集落・志多伯集落にある史跡などにも足を運んで、いろいろ見学されてみてはいかがでしょうか???
今回は、だいぶ長くなってしまいましたが、そろそろこの辺で・・・でわでわ☆★☆
最後まで読んで下さいまして、誠にありがとうございますm(_ _)m
↓宜しければブログランキングへ 御協力お願い致します。
☆『志多伯集落内に点在する史跡』☆
☆場所:〒901ー0415
沖縄県島尻郡八重瀬町字志多伯
☆見 学:無料
☆駐車場:無し
※訪れる際は、くれぐれもマナーを守って、他の来訪者や地元の方々に迷惑をかけないよう、十分気を付けてくださいね。