前々回にご紹介した八重瀬町具志頭にある『具志頭城跡』を見学した後、城跡の北側を走る道路へと移動しました。
その道路沿いには、琉球王国第一王統・第二代『尚巴志』の三男『具志頭王子』の墓と言われ、沖縄戦の際には、旧日本軍の武部隊(第9師団)が自然洞穴を拡張して構築した陣地壕があるんです。
沖縄県島尻郡八重瀬町具志頭にある
『クラシンウジョウ壕』☆
『具志頭城跡』北側にある道路。道路にせり出した右側の巨岩の裏に『クラシンウジョウ壕』があります。 |
『クラシンウジョウ壕』の入口 |
その注意書きには・・・≪この壕は、地権者と具志頭区の同意のもと自然体験学校が管理することとなりました。 壕の見学に関しては有料となりましたので、入壕のご希望の際は下記までご連絡ください。無断での入壕に関しましては固くお断りいたします。 ただし、拝所等の利用については除きます。≫・・・とありました。
ネットで調べてみると、どうやら2013年に『クラシンウジョウ壕』の入壕管理を、町と具志頭区が協定書を締結したんだそうです。
そして、その入壕管理を『NPO法人自然体験学校』に委託しているんだそうです。
道路から階段を上がっていくと、巨岩の根元に拝所がありました。 |
まぁ~、ワタクシは、こちらだけでなく、どちらの『壕(ガマ)』にも入らないと決めてますし、但書きには≪拝所等の利用については除きます≫とありましたので、今回は入壕せずに外側だけ見学させて頂くことにしました。
道路から階段を上がると、目の前の巨岩の根元に3基の拝所がありました。
拝所に向かって左側の様子。 |
拝所のある場所からは、左右に道が分かれており、左側は未整備の状態、そして右側はコンクリート製の階段が設置されていました。
・・・なので、右側の階段から上がっていくことにしました。
3基の拝所のある場所から右上へと続く階段 |
こちらも、先程の拝所同様に、詳細は不明です。。。
階段途中にあった拝所 |
こちらの拝所を後にし、さらに上へと向かいます。
階段の頂上付近に差し掛かると、その場所の岩壁にもコンクリートブロックで塞がれた古墓らしき拝所がありました。
階段の頂上付近。写真右上付近に古墓らしき拝所が見えます。 |
拝所 |
この拝所を通過すると、岩盤の裂け目に辿り着きます。
階段の頂上付近から岩盤の裂け目。右側の切り立った岩壁の上が『具志頭城跡』です。 |
階段の頂上付近にあった拝所を通過してすぐ左側にあった場所。 こちらも"監視哨"として使用されていた場所だったのでしょうか・・・ |
"監視哨"の跡らしき場所からほど近い場所にあった壕の入口。 |
そして、1945(昭和20)年3月23日から4月1日にかけて、米軍は陽動作戦を展開し、港川から上陸して来なかったらしく、この一帯に駐屯していた山部隊(第24師団)は、4月27日、首里戦線へ移動したとのことです。(沖縄高教組教育資料センター『沖縄の戦跡ブック ガマ』より引用)
上の小さな入口の壕の前から奥を見たところ。 |
※独立混成15連隊と高射砲を失った独立高射砲27大隊の一部部隊がこちらに入ったという記録があるそうですよ。
先程の壕口よりも少し大きめの壕口。こちらには千羽鶴が捧げられていました。 |
ところが、部隊の中には戦争継続に疑問を持っている兵隊もいたらしく、高射砲部隊のある通信班の班長は、"敵前逃亡"をすることを部下達に伝えていたそうです。
そして、攻撃する夜に、その部下達は出撃を装い隊列を離れて脱走に成功したんだそうですよ。。。(沖縄高教組教育資料センター『沖縄の戦跡ブック ガマ』より引用)
千羽鶴が捧げられていた壕口の右斜め向かい側にある岩の隙間に造られた銃眼のある監視哨跡 |
そのうちの1つの壕口横には千羽鶴が捧げられていましたね。。。
また、その千羽鶴が捧げられた壕口の右斜め向かい側にある岩の裂け目の奥に、長方形に開けられた銃眼が設けられた監視哨跡がありました。
岩の下から見た銃眼。港川の方に向いています。 |
そして、この場所から南側へ少し進むと、一際大きな壕の入口がありました。
岩壁の斜面に繰り抜いて構築された壕の入口 |
『クラシンウジョウ』は、漢字にすると『暗御門』と書くそうで、同じ呼称の場所は、当ブログで2015年3月にご紹介したことのある『浦添ようどれ』にもあります。
また、那覇市首里にも『暗御門』と称する場所があるんだそうですよ。
正面から見た大きな壕の入口 |
そして、その"トンネル"のことを『クラシンウジョウ(暗御門)』と呼んでいたみたいですよ。
銃眼がある監視哨跡の前から入ってきた階段側を見たところ。 |
今回は、壕に入ることは出来なかったので、外側から『クラシンウジョウ壕』を見学させて頂きましたが、いずれは入壕料を支払って壕内にある『具志頭王子の墓』を見学しに行きたいと思います。
『クラシンウジョウ壕』の階段から港川方面を見たところ。 |
☆『クラシンウジョウ壕』☆
☆場所:〒901-0512
沖縄県島尻郡八重瀬町具志頭137
☆見 学:無断での入壕は禁止されており、有料となっています。
※詳細は管理団体『NPO法人 自然体験学校』の公式HPをご覧ください。
☆駐車場:無し