この前、南城市大里字大里の南風原集落最高の聖地とされる『食栄森御嶽(イイムイウタキ)』を見学した後、同集落内に点在している拝所やカー(井泉)、御嶽などを見学しに向かいました。
こちらの南風原集落内に点在する史跡も結構多いので、2回に分けてご紹介していきたいと思います。
沖縄県南城市大里字大里の南風原集落内にある
『石彫魔除獅子とその他の史跡』☆
現在も、魔除けとしてムラを守り続ける南風原集落の『石彫魔除獅子』 |
そのガイドマップには『南風原の歴史と文化』と『南風原のみどころ』と題された説明が紹介されていたので、そちらを引用させていただきながら、集落内に点在する史跡をご紹介していきますね。
『南風原農村集落総合管理施設』の出入口横に設置されていた『南風原ガイドマップ』 |
≪南風原の歴史と文化≫
≪南風原区では、琉球王国時代には大里間切の番所がおかれ、戦前まで大里村役場があり、大里地域の政治の中心地でした。古くからの集落であり、文化資源も豊富です。また南風原音頭に「水の字」と歌われているとおり、背後の琉球石灰岩の山から豊かに湧き出る水に恵まれた地であり、これを利用して造られた井泉が多くあります。
これらの井泉(カー)は今も拝みの対象として大切にされています。
さらに字(あざ)では県下でもいち早く簡易水道を設置し、島添大里グスクふもとの内原ガーを水源に各家庭まで水を引いてました。
当時の配水タンクである直水槽は今もそのままの姿です。≫
・・・とありました。
ティラガー(ティダガー) |
※『南風原ガイドマップ』には、『食栄森御嶽』でご紹介した史跡も含まれているんですが、それらの史跡は省かせて頂きます。
まずは、ガイドマップが設置されていた『南風原農村集落総合管理施設』の裏側には『ティラガー』と呼ばれる井泉があります。
ガイドマップの説明によると、≪現公民館の敷地には戦後までサーターヤーがあり、この水が使われていた。≫とありました。
説明にある≪現公民館≫とは、『南風原農村集落総合管理施設』のことです。
ティラガー |
※【ウマノファ】とは、沖縄の方言で『南の方角』を意味します。
たぶん、カーの呼称はどちらでもOKなのでしょうね。
こちらを見学した後、お次はこちらの施設がある場所から東側に少し離れた場所に『グムイ』があります。
グムイ |
『グムイ』とは沖縄の方言で『池』とか『沼』、若しくは河川などの『淀み』のことです。
グムイ |
そして、この『グムイ』がある場所から南向けに伸びる道へ進み、約190mほど進んでいくと、小道沿い左側に『ウージャラガー(ウトゥノファ)』と呼ばれる井戸跡があります。
※【ウトゥノファ】についても調べてみたものの、何も出て来なかったんですが、この言葉も方角・方位を意味しているものと思われます。(ワタクシの憶測なので、確実ではありませんが・・・)
ウージャラガー(ウトゥノファ) |
ウージャラガー |
石彫魔除獅子 |
石彫魔除獅子 |
≪石彫魔除獅子(せきちょうまよけしーし)≫
≪この石彫獅子は、かなり古い時代に設置されたと伝えられているが、正確な年代は不明である。獅子像の材質は琉球石灰岩で、高さ90cm、体長45㎝、胴廻り約130㎝、西向きである。
向きについては、字の古老によると、部落のフンシ (風水)をみて、西側サン(山)を押し退ける「ナンゲーシ」(魔除)として捉えられたといい、旧暦8月15日には部落をあげて祈願している。
沖縄には、古い時代から魔除けとして獅子を置く習慣があり、これは中国文化の影響を受けたもので、民俗学的にも貴重な資料である。
村指定有形民俗文化財 指定年月日 平成5年2月2日 大里村教育委員会≫
・・・とありました。また、『南風原ガイドマップ』によると、上の説明にある『西側サン(山)』とは、火難をもたらす『高嶺毛(たかんみもー)』という山を指しているんだそうです。
この『石彫魔除獅子』を見学した後、集落最高の聖地『食栄森御嶽』がある『南風原農村公園』の北側入口へと向かいました。
『南風原農村公園』の北側入口の道向かいにもカー跡があるんですよ。
ナナスクヌウカー |
ガイドマップ、資料のどちらにも由来などの説明が掲載されていなかったため、どちらが正式な名称なのか不明です。
『ナナスクヌウカー』の後方に置かれていた7基の香炉 |
クチナガー(三日月井) |
そして、こちらの名称も、ガイドマップや標柱には『クチナガー(三日月井)』と表記されており、『第五章 歴史文化保存活用区域の方向性』には『ミカヅキガー』と表記されていて、どちらが正式名称なのかは分かりませんでした。。。
クチナガー |
『クチナガー』の横には香炉らしきものが1基置かれていました。 |
※あくまで個人的な憶測なので、確実ではありません。
この『クチナガー(三日月井)』から先程の五差路に戻り、今度は南東へ伸びる小道へと進んでいきました。
上ヌ井(イーヌカー) |
こちらには説明が記された案内板が設置されていたので、そちらを引用させて頂きます。
≪上ヌ井≫
≪字で大切にしているムラガーです。主に飲料水に使われましたが、若水や死に水を取る井泉(かー)であり、産井(うぶがー)でもありました。窪地を石垣で囲い込み、屋根は2枚の大石を鍵状に組んで繋いだものを中央の石柱で支えており、石造建築としても特徴があります。
屋根の右側には井泉の神様を祀っています。
上ヌ井はもともと寒川家という武士の屋敷の井泉だったといわれ、別名「寒川井(そんががー)とも呼ばれています。
南城市教育委員会≫
・・・とありました。上ヌ井 |
『上ヌ井』の神様を祀った祠。内部に香炉が1基置かれてました。 |
今回も、少し長くなってしまいましたので、この続きは、また別の回にご紹介しますね。
それでは、この辺で。。。でわでわ☆★☆
☆『石彫魔除獅子』他☆
☆場所:〒901-1400
沖縄県南城市大里字大里 (南風原区)
☆見 学:無料
☆駐車場:無し