かつては区内に点在していた各拝所を宅地造成によって一ヵ所に合祀した拝所とその隣に建立された慰霊塔☆|沖縄放浪日記

ハイサぁ～イ☆

前々回、浦添市沢岻の『中の殿』と『金満御嶽』を見学した後、『金満御嶽』から区内を東向けに行った場所にある拝所へと向かいました。

こちらは、かつては沢岻区内に点在していた各拝所が、宅地造成によって一ヵ所に合祀された拝所なんだそうです。

沖縄県浦添市沢岻にある

『沢岻拝所』

立派な祠の中に7基の拝所が合祀されており、その後方の塀にも8基の拝所が合祀されていました。

こちらは、前々回にご紹介した『金満御嶽』の入口がある場所から、沢岻区内を東向けに約290mほど道なりに進んでいくと、左側に鳥居があるので、その奥にあります。

合祀された『沢岻拝所』の入口には大きな鳥居が建てられています。

拝所入口に向かって両側は契約駐車場となっており、クルマを停めることができないんですが、鳥居の前に車一台分のスペースが設けられているので、そちらに駐車することができます。

拝所がある丘の上まで続く階段。

鳥居をくぐると、コンクリート製の階段があり、拝所がある丘の上まで続いてます。

ワタクシが訪れた時は、鳥居や階段の周辺は雑草が生い茂っていたんですが、定期的に清掃しているようで、思ってたよりも綺麗でとても見学しやすかったですね。

んで、階段を上がっていくと、階段の終点の両側には灯籠が立てられていました。

階段の途中から見た拝所。両側に灯籠が立てられていました。

また、ご覧の通り、階段の真ん中に二本の木が立っていました。

んで、階段を上りきると、立派な祠が建立されており、その中に7基の拝所が祀られています。

沢岻拝所

拝所は、左から順に『火水の守』、『西之お嶽』、『中之お嶽』、『公芳お嶽』、『金満お嶽』、『東之お嶽』、そして少し離れて『根所』となっていました。

『根所』以外の左側6基の拝所は、どうやら『御嶽』となっているようです。

『御嶽』とは、琉球の神話の神が存在、或いは来訪する場所となっており、また祖先神を祀る場所でもあります。(Wikipedia『御嶽(沖縄)』のページより一部引用)

また、『根所』は、『ニードゥクル』と呼ばれ、村落内で守護神となる氏祖が祀られた御嶽を中心に形成された際、その最も近い代弁者が住んでいる家のことを指しており、かつてその家があったことを示す拝所のことなんだそうです。(Wikipedia『琉球神道』のページより一部引用)

左から『火水の守』・『西之お嶽』・『中之お嶽』

『公芳お嶽』・『金満お嶽』・『東之お嶽』

6基の拝所と少し離れて『根所』の拝所が霊石と共に祀られていました。

また、祠を囲む塀の、ちょうど祠の後方にも、合祀された拝所が8基祀られていました。

『沢岻拝所』の祠の後方にあった8基の拝所。

こちらも、左から順に『西之トン』、『中之トン』、『上之トン』、『東之トン』、『ハンダガー』、『チブガー』、『東ヒージャー』となっていました。

『殿(トゥン)』とは、御嶽の祭祀を行う場所のことを指しており、また、『ガー(若しくは『カー』)』や『ヒージャー』は湧水を利用した集落の共同井泉のことを指してます。