糸満市の兼城集落内に点在するアサギやトゥンチなどの拝所☆|沖縄放浪日記

2017年7月13日木曜日

糸満市の兼城集落内に点在するアサギやトゥンチなどの拝所☆

ハイサぁ~イ⭐

前々回にご紹介した糸満市兼城にある『兼城グスク』を見学した後は、兼城集落内に点在する拝所などの史跡を見学しに向かいました。

糸満市役所の公式HP内にある『1945(昭和20)年ごろの民族地図―旧兼城村編』のページ内の『民族地図』を見てみると、こちらの兼城集落内は"アサギ"や"トゥンチ(殿内)"、そして"カー(井泉)"など、多くの拝所が点在しているらしいんですよ。。。

沖縄県糸満市兼城にある

『アサギやトゥンチなどの拝所』

ウィーヌトゥンチ(糸満市 兼城集落)の写真
兼城集落北側にある『ウィーヌトゥンチ』
こちらの兼城集落への道順は、以前『下川ブンギン兼城(下川権現)』をご紹介したブログ記事を参考に、GマップやGoogle earthなどでご確認下さい。

兼城集落西側の『ハンタ』と呼ばれる広場から表の道路『ナカミチ』へ戻ると、その向かい側にある大きな木の後方に、三角屋根の平家があり、その右奥に祠があるのが見えました。
<幸地>のアサギ(糸満市 兼城集落)の写真
『ナカミチ』から見た『<幸地>のアサギ』と呼ばれる拝所
その祠の前まで行ってみると、内部には『火の神』が祀られた拝所と4基の香炉がありました。
<幸地>のアサギ(糸満市 兼城集落)の写真
<幸地>のアサギ
糸満市の資料『第2章 観光プログラム企画等』によると、こちらの『<幸地>のアサギ』は、ムラの嶽元(タキモト)だと言われているんだそうで、アサギのある場所は、幸地の屋敷内となっており、"神屋"なんだそうです。

また、内部には1976年に改築した際の寄付者の名簿が掲げられているんだそうですよ。
内部の棚には『一九六九 旧七月二十六日』と日付が記されていたんですが、何の日付なのかは分かりませんでした。。。
<幸地>のアサギ(糸満市 兼城集落)の写真
内部には拝所と4基の香炉が置かれていました。
そして、『<幸地>のアサギ』のすぐ左側にも拝所があるんですが、こちらは『<幸地>のアサギの隣にある拝所』と記されており、『山の竜宮』が祀られているという説があるんだそうです。
<幸地>のアサギの隣にある拝所(糸満市 兼城集落)の写真
<幸地>のアサギの隣にある拝所
内部には霊石が祀られているんですが、これは"フニクンジー石"と称される船の艫綱を結んだ石なんだそうですよ。

この『<幸地>のアサギ』とその隣の"拝所"がある場所の南側にも祠があるんですが、こちらの祠は『メーヌトゥンチ』と呼ばれる拝所なんだそうです。
メーヌトゥンチ(糸満市 兼城集落)の写真
メーヌトゥンチ
内部には、『火の神(ヒヌカン)』と1基の香炉が祀られていました。

なんでも、この香炉は兼城間切の惣地頭であった玉川王子朝達寄進の香炉なんだそうで、「シラタキ」と称される拝所へのウトゥーシ(遥拝所)と言われているみたいですよ。
メーヌトゥンチ(糸満市 兼城集落)の写真
『メーヌトゥンチ』の内部。左が『ヒヌカン』で、右が『玉川王子朝達寄進』の香炉だと思われます。
んで、この『メーヌトゥンチ』の左斜め向かい側には、コンクリートブロックの塀で囲われた小さな祠が置かれた拝所があります。
<前盛>の後方にある拝所(糸満市 兼城集落)の写真
『メーヌトゥンチ』の左斜め向かい側にある拝所
<前盛>後方にある拝所(糸満市 兼城集落)の写真
<前盛>後方にある拝所
糸満市の資料『字兼城の民俗地図』によると、こちらは『<前盛>後方にある拝所』と記されており、拝所がある敷地が"前盛"という姓の方の個人宅に入っていることから、このように称されているようです。

この『メーヌトゥンチ』と『<前盛>後方にある拝所』がある小道を東側に抜け、少し北側へ進むと、道路沿い右側にもコンクリートブロックの塀に囲まれた拝所があります。
112番地の南西の角にある拝所(糸満市 兼城集落)の写真
コンクリートブロックの塀に囲われた拝所
こちらも個人宅の敷地内にある拝所となっているらしく、先程の資料には『112番地の南西の角にある拝所』と記されていました。
112番地の南西の角にある拝所(糸満市 兼城集落)の写真
112番地の南西の角にある拝所
こちらも、先程の『<前盛>後方にある拝所』同様に、何が祀られているのかは分かりませんでしたね。。。

んで、こちらを後にして、さらに北向けに進んで行き、突き当りを左折すると、すぐ右側に北に伸びる細い小道があります。

この小道の先にも、コンクリート製の祠の拝所があります。
ウィーヌトゥンチ(糸満市 兼城集落)の写真
ウィーヌトゥンチ(上の殿内)
こちらは『ウィーヌトゥンチ』と呼ばれる拝所なんだそうで、『赤嶺(アカンミ)・大屋(ウフヤ)のトゥンチ』とも称されているんだそうです。
ウィーヌトゥンチ(糸満市 兼城集落)の写真
右側から見た『ウィーヌトゥンチ』の内部
内部には、『ヒヌカン(火の神)』が祀られた拝所と6基の香炉がありました。
ウィーヌトゥンチ(糸満市 兼城集落)の写真
『ウィーヌトゥンチ』内にある『ヒヌカン(火の神)』の拝所
また、この『ウィーヌトゥンチ』の後方には、『奥間グスク』という城跡があり、グスク域内には、『カニマル御嶽』などの拝所があるそうなんですよ。

んで、『ウィーヌトゥンチ』横の小道をさらに奥へ進んで行ったんですが、その先は雑草が生い茂っていて、進入することが出来なかったので、今回は断念致しました(泣)
また機会を設けて再訪してみたいと思います✋💦

『ウィーヌトゥンチ』を後にし、再び集落内へと戻ると、冒頭にも出てきた『ナカミチ』と呼ばれる道路から、さらに北へと進みます。

すると、片側一車線の道路に出るんですが、そこを左折して道なりに約150mほど進んで行くと、道路沿い右側に"カー(井泉)"があります。
ウィーンカー(糸満市 兼城集落)の写真
ウィーンカー(上の井泉)
こちらの"カー(井泉)"は、『ウィーンカー(上の井泉)』と称されており、『兼城ヒージャー(樋川)』とか『ヒージャーガー』とも称されているんだそうですよ。

『ウィーンカー』は、現在も豊富な水を湛えており、L字型の水路が設けられていて、そこを通って流れていくんですが、水量が多すぎるためか、"カー"の前の開けた場所も水浸しになっていました。
ウィーンカー(糸満市 兼城集落)の写真
カー(井泉)から溢れ出た水
また、L字型の水路の角の上には、香炉が1基置かれており、こちらも"拝所"となっていました。
『ウィーンカー』の水路
そして、香炉の左側の一段高くなったところには石碑らしきものがあったんですが、蔦(?)に覆われていて、確認することは出来ませんでした。
ウィーンカー(糸満市 兼城集落)の写真
香炉のすぐ横にあった石碑らしきもの。蔦(?)に覆われてしまっていました。。。
『ウィーンカー』を見学した後、再び兼城集落内を通る『ナカミチ』へと戻り、今度は集落南側へと向かいました。
<スム>のアサギ(糸満市 兼城集落)の写真
<スム>のアサギ
冒頭でご紹介した『<幸地>のアサギ』のある幸地の屋敷の前を通過し、約110mほど進んでいくと、左側にコンクリート製の"アサギ"が2棟建てられている場所があります。

糸満市の公式HP内にある資料『字兼城の民族地図』によると、こちらの"アサギ"は『<スム>のアサギ』と呼ばれる拝所なんだそうです。
(参照:糸満市の公式HP内にある『1945(昭和20)年ごろの民族地図―旧兼城村編』のページ)
<スム>のアサギ(糸満市 兼城集落)の写真
敷地の奥にある『<スム>のアサギ』
外から"アサギ"の内部を伺うと、数基の香炉が置かれており、集落の始祖を祀る場所となっているようです。

また、本島中部にある西原町に"幸地"という区があり、そちらからの拝所もあるんだそうですよ。
<スム>のアサギ(糸満市 兼城集落)の写真
出入口横にあるもう1つの『<スム>のアサギ』
こちらの"アサギ"については、ネット上にある資料などにも、由来などの詳細が記載されていなかったので、その他の情報は一切不明です。。。

この『<スム>のアサギ』の前にある道を、東向けにちょこっと進むと、左側に石積みで囲われた場所があります。
村屋跡の東にある拝所(糸満市 兼城集落)の写真
村屋跡の東にある拝所
石積みの中は雑草に覆われてはいたんですが、その片隅に香炉が1基置かれており、どうやらこちらも"拝所"となっているようです。

糸満市の資料『字兼城の民族地図』を見てみると、どうやらこちらは『村屋跡の東にある拝所』となっているみたいです。

『<スム>のアサギ』・『村屋跡の東にある拝所』を見学した後、最後に集落南側にある"拝所"へと向かいました。
アコークバオー(糸満市 兼城集落)の写真
『下川ブンギン兼城(下川権現)』の前から南へ約40mほどの距離にある拝所
以前ご紹介した『下川ブンギン兼城(下川権現)』の鳥居の前から南へ約40mほど進んでいくと、右側の低くなった開けた場所に、上にソテツが乗っかっている石灰岩があるのが見えます。
アコークバオー(糸満市 兼城集落)の写真
『アコークバオー』と呼ばれる拝所
『ナカミチ』から、その石灰岩を回り込むように小さな小道が伸びているので、そちらへ下りていくと、岩の根元付近に香炉が1基置かれていました。

資料『字兼城の民族地図』によると、こちらは『アコークバオー』と呼ばれる拝所なんだそうです。
アコークバオー(糸満市 兼城集落)の写真
岩の根元にあった1基の香炉
こちらもまた、詳細が記された資料がネット上には見当たらなかったため、詳しいことは不明です。。。
アコークバオー(糸満市 兼城集落)の写真
敷地の奥にも石灰岩があり、"拝所"っぽかったんですが、詳細は不明です(泣)
・・・と、こちらまで見学を終えた後はクルマへと戻り、この日はそのまま家路につきました。

『字兼城の民族地図』によると、兼城集落内には、今回ご紹介した史跡の他にも、まだいくつかの史跡が点在しているみたいなんですよ。。。

なので、またいつか機会を設けて、今回見学出来なかった『奥間グスク』を含め、残りの史跡を見学しに行きたいと思います。

ちょっと長くなってしまいましたが、そろそろこの辺で。。。でわでわ☆★☆

最後まで読んで下さいまして、誠にありがとうございますm(_ _)m
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『兼城集落内に点在する史跡


☆場所:〒901-0303
      沖縄県糸満市兼城

☆見 学:無料

☆駐車場:なし
※ワタクシが訪れた際は、『下川ブンギン兼城(下川権現)』前の駐車場、若しくは集落の『ナカミチ』沿いにある大きな木の横に駐車させて頂きました。