沖縄戦において奇跡的に戦火を免れた沖縄本島唯一残存した寺院☆|沖縄放浪日記

2017年2月26日日曜日

沖縄戦において奇跡的に戦火を免れた沖縄本島唯一残存した寺院☆

どーもども⭐

今回も、前回の続きです(笑)

『龍の蔵』さんの『金武鍾乳洞の古酒蔵』を見学した後、『龍の蔵』さんの道路を挟んで右斜め向かいにある寺院へと向かいました。

こちらの建物は、沖縄戦の際、大半の寺社建造物が焼失した中、奇跡的に戦火を免れ、本島内で唯一残存した貴重な木造建築物なんだそうです。

沖縄県国頭郡金武町金武にある

金峯山 金武観音寺』

高野山真言宗 金峯山 金武観音寺の写真
高野山真言宗 金峯山 金武観音寺
こちらは、前回ご紹介した『(有)インターリンク沖縄』さんの店舗『龍の蔵』の道路を挟んで、斜め向かいにあります。
高野山真言宗 金峯山 金武観音寺の写真
『高野山真言宗 金峯山 金武観音寺』の入口
さっそく境内へ入っていくと、参道途中左側に説明板が設置されています。

その説明を読んでみると・・・

≪金武町指定文化財 金武観音寺のフクギ(オトキリソウ科)
≪一、種別 記念物 一、指定 平成三年十二月二十四日 一、現在地 金武町字金二二二番地

説明
フクギは推定樹齢約三五〇年、胸高円周二・八メートル樹高十二メートルを有し、沖縄本島各地のフクギの中でも希少な巨木と云われている。

常緑の高木で風や塩害に強く、屋敷林として昔から沖縄各地で広く利用された樹種である。
金武観音寺のフクギの説明板と石碑の写真
『金武観音寺のフクギ』の説明板と『新沖縄観光名所』と題された『金武鍾乳洞と大川』の石碑
観音寺のフクギは幾年代の歳月を積み、強く根を張りどっしりとそびえ立つその樹影に寺社の長い歴史を見守り寺社の景観を創り、町民に愛郷の心を育む先人よりの遺産として親しまれている巨木である。
金武町教育委員会≫
・・・とありました。
金武観音寺のフクギの写真
金武観音寺のフクギ
推定樹齢約350年って凄いですねぇ。。。

約350年もの間、ずーっとこの場所で、金武町の変遷を見守ってきたんですね。

この『金武観音寺のフクギ』を通過していくと、これまた参道沿いに『子育て地蔵』と『水子地蔵』が建立されていました。
子育て地蔵と水子地蔵の写真
『子育て地蔵』と『水子地蔵』
子育て地蔵の写真
子育て地蔵
水子地蔵の写真
水子地蔵
んで、『子育て地蔵』と『水子地蔵』の前を通過すると、『金武観音寺』がある境内へとたどり着きます。
金武観音寺の写真
金武観音寺拝殿
社殿のすぐ隣に説明板が設置されていたので、まずはそちらを読んでみることに・・・

≪高野山真言宗 金峯山 観音寺≫
≪当観音寺は、十六世紀に日秀上人によって創建されたが、現存する観音寺は、昭和十七年に再建されたものであり、建築手法は近世社寺の手法が取り入れられている。

沖縄県下の社寺建築の多くは今次大戦で焼失したが、幸い当観音寺は戦災を免れて今日に至っており、古い建築様式をとどめた貴重な木造建築である。

当観音寺は、昭和五十九年六月一日、有形文化財(建造物)に指定された。
金武町教育委員会≫
金武観音寺の写真
金武観音寺拝殿の内部
熾烈を極めた沖縄戦であったにもかかわらず、戦火を免れたとは、本当に奇跡ですね。。。

後日、いろいろ調べてみると、説明に出てきた『日秀上人』は、16世紀前期に紀伊国から唐を目指したそうなんですが、渡航中に遭難して金武のフナヤ(富花港)に流れ着いたんだそうです。

そして、金武にある鍾乳洞を拠点として布教活動を行い、金武観音寺を創建したと伝えられているんだそうですよ。(Wikipedia『金武観音寺』より一部引用)

また、『日秀上人』は、現うるま市石川嘉手苅にある『嘉手苅観音堂』を伊波按司に勧めて建立させた人物だと伝えられており、さらに、現浦添市経塚にある『経塚の碑(金剛嶺碑)』も、妖怪を退治するために建立したと伝えられていますね。
金武観音寺の写真
左側から見た金武観音寺
金武観音寺拝殿を背にして左側奥の境内に、鍾乳洞入口を発見したので、今度はそちらを見学しに向かいました。
金武観音寺境内にある金武鍾乳洞入口の写真
観音寺境内にある『金武鍾乳洞』の入口
入口には、鍾乳洞を拝観する際の注意点や開門時間帯などが記載された看板が設置されていました。

入口から鍾乳洞内部を伺ってみると、こちら側も結構な深さがありましたねぇ。。。
金武鍾乳洞の写真
入口から見た金武鍾乳洞内部
金武鍾乳洞の写真
金武権現の祠の手前から内部を見たところ
階段を少し下りていくと、左側に日秀上人が建立したとされる『金武宮』があり、右側には金色の布袋様のいる拝所がありました。
金武権現の祠の写真
金武権現の祠
祠の台座に説明書きが掲示されていたので、そちらを引用させて頂きます。

当山鎮守 金武権現≫
≪高野山で修行を積んだ日秀上人は、熊野から観音様が住むと言われる浄土を目指して小舟に乗り、金武の富蔵津(現在の福花)に漂着しました。

金武に補陀洛浄土を観じた日秀上人は、この土地にお寺を建て、(観音菩薩、阿弥陀如来、薬師如来)を彫って泰安しました。
布袋様の拝所の写真
金武権現の祠の向かい側にある布袋様が祀られた拝所
同じ頃、この鍾乳洞内に熊野三所権現を勧請し、金武権現宮を建立しました。

仏教の(観音菩薩、阿弥陀如来、薬師如来)を本地とした熊野三所権現(事解男尊 伊勢冊尊 速玉男尊)が合祀されております。
菩薩の昇天図と金銀の滝の鍾乳石の写真
ブレてしまって少し分かりにくいんですが、左上の鍾乳石が『菩薩の昇天図』、右下の鍾乳石が『金銀の滝』
明治時代の神仏分離令発令後も、観音寺と金武権現は一体とみなされ、現在も神仏習合の姿を残しております。

当山鎮守として観音寺を護り、多くの人々の信仰を集めております。
金峯山 補陀洛院 観音寺≫
・・・とありました。
菩薩の昇天図の写真
菩薩の昇天図
金銀の滝の鍾乳石の写真
金銀の滝
説明によると、どうやら観音寺拝殿と鍾乳洞全体が、『金武権現宮』となっているみたいですね。

階段を下りていく途中で、特徴のある各鍾乳石には名称が付けられていましたねぇ。。。
大仏天釜の鍾乳石の写真
大仏天釜
鍾乳洞入口の天井部分にも名札が付けられた鍾乳石があったんですが、汚れが酷くて、文字が判読できませんでした。。。

んで、階段を下りきったところのすぐ左側にも拝所がありました。
水天の写真
水天
こちらは、『水天』が祀られているんだそうで、説明書きによると、≪仏法を守護し、水界を司る竜族の王とされています。 人々の煩悩を洗い清めて、菩薩心を目覚めさせてくださいます。 金峯山 観音寺≫とありました。
金武鍾乳洞の写真
『水天』の拝所の前から鍾乳洞奥を見たところ
『水天』の拝所がある場所から、さらに鍾乳洞奥へと進みます。

前回のブログ記事でもお話しましたが、以前は、『龍の蔵』さんが管理する泡盛が保管されていたそうなんですけど、鍾乳洞を別々に管理することになったため、鍾乳洞も二つに区分けされております。
金武鍾乳洞の写真
鍾乳洞の最深部
なので、金武観音寺側の鍾乳洞の最深部も、鉄格子が設置されており、それ以上奥へ進むことは出来ません。
金武鍾乳洞の写真
鉄格子が設置されていて、これ以上奥へ進むことは出来ません。
前回のブログ記事でご紹介するのを忘れてしまってたんですが、この金武鍾乳洞は、龍神信仰発祥の地として知られており、古くから人々が祈りを捧げに訪れていたんだそうです。

遥か昔、金武の洞穴には一匹の大蛇が棲みついていました。

その大蛇は、金武大川(ウッカガー)へ水を飲みに行く際に、集落の家畜などを襲ったりして悪行を働き、人々を困らせていたんだそうです。

そんな最中、金武の富蔵津(現在の福花)に流れ着いた日秀上人が、人々から大蛇の悪行を聞き、御経を唱え、大蛇を洞穴に封じ込めました。

日秀上人が、大蛇を退治してくれたことにより、集落の人々は平和な日々を取り戻すことが出来たんだそうです。。。
金武鍾乳洞の写真
『水天』の拝所前から鍾乳洞入口を見上げたところ
鍾乳洞を見学した後、再び境内へと戻り、次は鍾乳洞入口近くに石碑や御墓があったので、そちらを見学しに向かいました。
金武観音寺の梵字が刻まれた石碑の写真
梵字が刻まれた石碑
元山家累代之墓
中僧正恵不生位と大西法晃和尚之墓の写真
『中僧正恵不生位』と刻まれた墓標(左)と『大西法晃和尚之墓』と刻まれた墓標(右)
阿闍梨章道和尚不生位の写真
阿闍梨章道和尚不生位
石碑に刻まれた文字を見てみると、一番上の一文字だけ梵字が刻まれており、どうやら和尚さん達の御墓となっているようでした。
こちらに関しては、ネット上でいろいろ検索してみたんですけど、何も出てきませんでした。。。

・・・と、ここまで見学させて頂いた後は、そのままクルマへと戻り、金武町を後に致しました。

前回と今回の2回に渡って、『金武鍾乳洞の古酒蔵 龍の蔵』と『高野山真言宗 金峯山 観音寺』をご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?

古酒蔵の鍾乳洞は、保管・管理されている泡盛も含め、そのスケールの大きさに『凄い‼』って感じでしたが、『金武観音寺』の方は、やはり神聖な場所だけに、感慨深いものがありましたね。

まだ訪れたことがないという方は、ぜひ一度足を運んでみてくださいませ。

今回は、少し長くなってしまいましたが、そろそろこの辺で。。。でわでわ☆★☆

最後まで読んでくださって、ありがとうございますm(_ _)m
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『金武観音寺』

☆お問合せ:098-968-2411

☆場所:〒904-1201
      沖縄県国頭金武町金武222番地

☆時間:境内⇒拝観自由 鍾乳洞⇒7:0~16:00

☆入場料・鍾乳洞拝観料:無料
※以前は、有料だったようですが、現在は無料となっています。

☆駐車場:あり

☆トイレ:あり