浜集落の東南端にあるウブガーと呼ばれる井泉と稲作の際に利用されている井泉☆|沖縄放浪日記

この記事をシェアする

2017年10月31日火曜日

浜集落の東南端にあるウブガーと呼ばれる井泉と稲作の際に利用されている井泉☆

ハイサぁ~イ⭐

前々回にご紹介した『浜グスク』を後にし、次に向かったのはグスクの西側、浜集落の東南に位置する井泉です。

こちらは別称『ウブガー』とも呼ばれ、旧正月の若水や赤ちゃんの産水はこの井泉から汲んでいたそうです。

沖縄県うるま市勝連の『浜比嘉島』にある

『前ヌカーと水道ガー』

シーローガー(水道ガー)の写真
浜集落南側の丘陵の麓に位置する『水道ガー(シーローガー)』。
『前ヌカー(メーヌカー)』は、『浜グスク』の西側の森の入口前から西へ約20mほど進むと、左側にあります。
前ヌカー(メーヌカー)の写真
『前ヌカー』の入口。
『前ヌカー』は、道路から少し奥に入ったところにあり、木々に囲まれているんですが、定期的に清掃が行われているらしく、比較的綺麗な状態が保たれていましたね。

案内板には≪字浜のウブガーで、子供の成長、健康祈願を願う場所です。カーの周辺は、浜公園に整備され、慰霊塔・シェリー大佐記念碑があります。≫とありました。
※浜公園内にある慰霊塔・シェリー大佐記念碑⇒https://oki-night.blogspot.jp/2017/10/blog-post_28.html
前ヌカー(メーヌカー)の写真
道路から少し入ってきたところ。
『浜比嘉島景観資源マップ』によると、ウブガーとも呼ばれる井泉で、旧正月の際の若水や赤ちゃんの産水はこの井泉から汲んでいたとのこと。

また、亥の年に行われるウフアシビという行事の際には、祈願が行われ踊りが奉納されるとのことです。
前ヌカー(メーヌカー)の写真
『前ヌカー(メーヌカー)』
『前ヌカー(メーヌカー)』の前まで入っていくと、中央の柱の横に香炉が1基設置されており、"カー"に向かって左奥には洗い物をするための流し台のようなものが設けられており、そこから水が流れ出るようになっていました。
前ヌカー(メーヌカー)の写真
『前ヌカー』の左側。流し台のようなものが設けられていました。
そして右側の方は少し開けた場所があり、その奥の柱に『ウブガー』と記された石板が設置されていました。
前ヌカー(メーヌカー)の写真
『前ヌカー』の右側。右奥の柱に『ウブガー』と記された石板が設置されていました。
前ヌカー(メーヌカー)の写真
『ウブガー』と記された石板。
また、その石板には『昭和五十八年改築』とも記されていましたね。

今でも豊富な水を湛えているらしく、貯水槽にはたくさんの水が溜められていました。

この『前ヌカー』を見学した後はクルマに乗り込み、"カー"の前の道を集落南向けに進みました。

『前ヌカー』前から南へ約180mほど進んでいくと、前方に『浜比嘉島ちょうちょうハウス』という施設が見えてきます。
浜比嘉島 ちょうちょうハウスの写真
『浜比嘉島 ちょうちょうハウス』
この『浜比嘉島 ちょうちょうハウス』の奥に『シーローガー(イーヌカー)』と称される井泉があります。
シーローガー(イーヌカー)の写真
『シーローガー(イーヌカー)』
『ちょうちょうハウス』前に到着すると、ちょうど施設を管理されている浜区の方がいらっしゃったので、"カー"を見学させてほしい旨を伝えると、「どうぞ、どうぞ」と快く了承して下さいました。

クルマを下りて『シーローガー』に近づいていくと、こちらも『前ヌカー』同様に、今でも豊富な水を湛えているらしく、手前の貯水槽内に水が溜められていました。
シーローガー(イーヌカー)の写真
『シーローガー(イーヌカー)』内部。
前述した『浜比嘉島景観資源マップ』によると・・・≪水量が豊富で稲作の水を引いていた。農作業の休憩地でもあった。現在はコンクリートで囲って水を貯めポンプで汲みあげて農業用水に利用している。旧正の年頭拝みなどで祈願される。≫とありました。
シーローガー(イーヌカー)の写真
四角く囲った貯水槽の中に丸い貯水槽を設けたとても珍しい造りになっていました。
『シーローガー』は、ご覧の通り、四角く囲った貯水槽の真ん中に、さらに丸い貯水槽を設けたとても珍しい造りになっていましたが、なぜこのような構造になっているのかは不明です。。。

んで、『シーローガー』を見学した後、実は『前ヌカー』からこちらに向かっている途中、道路沿いに標柱が立てられているのを発見したんですよ。
龕(アカンマー)屋の写真
『龕(アカンマー)屋』の入口。
その標柱には『龕(アカンマー)屋』と記されており、その史跡について『ちょうちょうハウス』の方に聞いてみると、森の奥に"拝所"があるとのこと。

ほいで、その方に許可を頂き、そちらへ行ってみることにしました。
龕(アカンマー)屋の写真
『龕(アカンマー)屋』へ続く獣道の途中にあった拝所。
斜面を上っていくと、獣道沿い左側の空き地の奥に小さな祠を発見。

祠の前には小さな1基の香炉が置かれていたので、どうやらこちらも"拝所"となっているようでした。

んで、道はさらに森の奥へと続いていたので、周囲に気をつけながら森の中へ入っていくと、道が二手に分かれた分岐点に差し掛かりました。
龕(アカンマー)屋の写真
『龕(アカンマー)屋』へ続く道のもう一本の獣道。この先には地元の方の御墓があるのだそうです。
後で『ちょうちょうハウス』の方に聞いてみると、もう一本の獣道の先には浜区の住民の御墓があるとのことでした。

分岐点からさらに森の奥へ進んでいくと、その突き当りに少し開けた場所があり、その一画に小さな祠がありました。
龕(アカンマー)屋の写真
龕(アカンマー)屋
前述の『浜比嘉島景観資源マップ』には、こちらの史跡は掲載されておらず、その他の手元にある資料も一通り目を通してみたんですが、全く掲載されていなかったため、詳細は不明です。。。

『龕屋』の"龕"とは、遺体を納めた棺をお墓まで運ぶ輿のことで、"龕屋"はその輿を保管していた建物のことを指します。

・・・が、周囲にはそのような建造物は見当たらなかったので、どうやら"拝所"のみが現存しているようでした。

この『龕(アカンマー)屋』を見学した後は、『ちょうちょうハウス』まで戻ってクルマに乗り込み、この日は撤退する予定していた時間も差し迫っていたので、最後に浜集落の南西に位置する"拝所"へと向かいました。
浜比嘉島 浜区の写真
浜比嘉島の西側の海。遠くに見えるのは沖縄本島です。
浜集落の北側から西側へグルッと回り込むような形で、片側一車線の道路が伸びているんですが、その道路の突き当り右側に『七竜宮』と称される"拝所"がありました。
七竜宮の写真
『七竜宮』の拝所。
こちらの拝所には縦長の霊石が祀られており、そこに『七竜宮』と記されていました。

また、その手前には香炉代わりの貝殻が置かれており、その後方の塀の上にも貝殻が置かれていました。

こちらも『龕(アカンマー)屋』と同様に、資料には掲載されていなかったので詳細は不明です。。。

・・・と、ここまで見学した後は、そのままクルマへと戻り、浜比嘉島を後にしました。

今回ご紹介した『前ヌカー』や『シーローガー』などの史跡の他にも、浜区内にはいくつかの史跡が点在しているので、そちらの方もまた別の回にご紹介したいと思います。

それでは、そろそろこの辺で。。。でわでわ☆★☆

最後まで読んで下さいまして、誠にありがとうございますm(_ _)m
宜しければブログランキングへ 御協力お願い致します。
ブログランキング・にほんブログ村へ  

『前ヌカー(ウブガー)』・『龕(アカンマー)屋』・『シーローガー(イーヌカー)』・『七龍宮』

☆場所:〒904-2315
      沖縄県うるま市勝連浜(浜比嘉島)

☆見 学:無料

☆駐車場:無し(『浜漁港緑地公園』に駐車可能)

※訪れる際は、くれぐれもマナーを守って、他の来訪者や地元の方々に迷惑をかけないよう、十分気を付けてくださいね。